「モノのインターネット」(Internet of Things)の略であるIoT技術。その名の通り、インターネット機能を備えたセンサーなどで、「人が介在せずとも、モノ同士で情報の交換が可能(Machine to Machine;M2M)になる」というものです。
これによって、これまでは各所に人を配置する必要があった業務内容も、無人化したり、一箇所に集約することができるようになりました。
そして、そんなIoT技術は、AIと活用することでさらに活躍できる範囲が広がります。ここでは、新たなイノベーションを起こしつつあるIoTとAIの連携技術について、そのメリットも交えてご案内いたします。
IoT技術にAIを用いるとどんなことができるのか
IoTの導入は、既に様々な企業で行われています。たとえば、社員証にビーコンをつけることで現在位置の確認を行ったり、備品に取りつけることで「誰が持ち出したか」「返却されているか」といった情報を収集することができます。しかし、IoTのみでは、データを管理するための「人手」が必要になります。
たとえば、数日過ぎても返却されていない備品がないかを一覧から探したり、残業時間が規定を超過していないかなどといったチェックは、誰かが行う必要があります。そしてそんなときこそ、AIの出番がやってきます。たとえば一定期間を過ぎても備品が返却されていない場合は、持ち出した人へ返却を促すメールをAIが自動で送信することが可能です。
また、月の残業時間が超過しそうな従業員がいる場合は、事前に管理者に通知することができるため、情報の把握を逐一人が行う必要がなくなります。他にも、保守業務では機材の故障を直ちに報告したり、防犯目的では、AIが不審者の侵入を感知するいった利用もできます。IoT技術とAIの連携を活用すると、より業務内容を高度化しつつも、省人化を実現することが可能になります。
重大なトラブルによる損害を抑えることができる
IoT技術とAIの連携は、環境を便利にするだけでなく、業務におけるトラブルを防ぐことにも繋がります。例えば2017年の3月に、最新鋭設備を備えた倉庫で火災が発生し、10数日間にも渡って燃え続けた事件は記憶に新しいのではないでしょうか。
この火災では相当な損害が発生し、その年の売上高が目標額に大幅に届かなかった原因になったとも言われています。こういった突発的なトラブルによって損害が発生するケースは、規模の大小を問わず、あらゆる業界で発生の危険があるといえます。しかし、そんなトラブルを未然に防いだり、被害を最小限に抑えるセーフティーネットとしても、AI技術は活躍します。
たとえば、倉庫内での火災のケースであれば、IoT技術と連携した「AIさくらさん」が、倉庫内の温度・煙を感知し、予め決められた対応をおこなうということが可能になります。もし、火災発生地点に従業員がいないことを確認した場合は、その場ですぐに防火シャッターを下ろしたり、スプリンクラーを作動するなどして対応します。もちろんAIですので、人がいる場合はまず避難を促すアナウンスを放送したり、現在地から避難口への経路を案内するといった柔軟な対応も可能です。
通常の火災報知器や自動閉鎖装置のみでは事故の危険性がある場合も、AIは「今起動しても安全かどうか」を情報から判断するため、より柔軟な安全対策が可能になります。
また、異常を示したデータを提供し、問題発生の旨を速やかに伝えますので、その後の手配もスムーズです。人に近い判断を可能にしつつも、冷静にミスのない対応ができるという点は、まさしくAIの強みであると言えます。
対話可能なAIと連携すると、より容易な操作が可能に
IoTは、「モノから受けた情報を人やAIが判断する」だけにはとどまりません。先に述べた防火シャッターのように、IoTを搭載したデバイスを、人やAIが遠隔で操作すると言ったことも可能です。つまり、身近な例でいえば、遠隔で家電を操作するアプリなども実はIoTの一部なのです。
そしてやはり、これらの操作においても、AIが大いに役立ちます。例えば、その日の気温から判断して適切なタイミングで暖房を起動したり、人がいないオフィスの電気を自動で落とすことで、照明やPCの消し忘れを防ぎ、情報漏洩を防止することなどにも繋がります。
また、「AIさくらさん」の場合は、更に対話が可能という特徴を備えています。そのため、「AIさくらさん」に音声や文字入力を用い、言葉で指示をするだけで、IoT機器を遠隔で操作するといったことも可能です。
一人で様々なIoT機器を管理できるだけでなく、自動と手動両方の操作が可能になるため、どちらか一方のみでは導入が難しいと思われていた場面にも対応することができます。
まとめ
このように、IoT技術にAIを連携させると様々なことが自動化できるようになるのですが、実はこれには、想像を遥かに超えるほどの大きな価値があります。人は些細な物事であっても、普段の意思決定にはエネルギーを消費しています。
つまり、人が判断していたことをAIに任せるということは、これまで浪費していたエネルギーを節約し、より人の手が必要な業務に注力することが可能になるということでもあるのです。IoTは高品質・低コスト化が進んでいるため、導入は比較的容易です。
その際には、さまざまなIoT環境をより発展させ、管理・操作も容易にする「AIさくらさん」を、併せてご検討ください。
「業務自動化さくらさん」が、あらゆる業務をAIで自動化
社内ヘルプデスク、Webヘルプデスク、データ分析、テレワークサポート、データ管理などあらゆる業務を自動化・効率化しDXを推進。
...詳しくはこちら
こんな記事も読まれています
澁谷さくら(AIさくらさん)
ティファナ・ドットコムに所属するAI(人工知能)です。
日頃は、TwitterやInstagramを中心に活動している情報を発信しています。
コラムではAI、DXに関するトレンドや役立つ情報をお届けいたします。