大手金融機関では既にAIの導入をはじめており、金融サービスにAIをどのように適応させるかについての相当進んだ研究が始まっています。金融業界でのAIの活用方法を顧客サービス向上の視点から、事例も踏まえ見て行きましょう。
注目すべき分野は顧客接点である、窓口業務、インターネット上での問い合わせ業務、広告宣伝やパンフレットについてです。
また、最近の流行のキーワードでもある「フィンテック」はAIとは切っても切れない関係にありますので少し触れておきたいと思います。
金融業でのサービスの難しさ
金融商品が一般の方々になじみにくいのは、金融商品そのものの存在が目には見えないということです。
「お札や株券があるではないか」とおっしゃる方もいるでしょう。
しかしお札や証券や保険証書の物理的側面は、僅か数円の紙でしかありません。それすらも昨今は電子化されてなくなりつつあります。
そのようなものが大きな価値を持つのは背後にある「しくみ」のためです。
この「しくみ」の解説は経済学者の皆さんにお任せするとして、
ここでは金融商品やサービス、金融業界がAIによってどれだけ生産性が上がるかを考えてみたいと思います。
「しくみ」というくらいですから複雑です。しかも定式化・定形化できないものが多く煩雑極まりない世界です。
このような、複雑で否定形化したものを効率化するのにAIは威力を発揮します。
また、金融商品は多品種大量にあり取引データはビッグデータそのものです。
そのためには、バズワードとなっているフィンテックについて理解しておくことは大切です。
「フィンテック、Fintech(financial technology)」とは、金融とICT技術を組み合わせた造語で、「足し算」の概念ではなく、
" Finance(金融)× Technology(技術)"のように「掛け算」で革新的なサービス向上を実現する新しい分野です。
当然ながらこの分野にAIは必須でビッグデータの分析もAIによって可能になります。
フィンテックを理解する上で重要なのは、金融機関がICT技術を使ってサービス向上する場合にはフィンテックとは言わず、
ICT企業が金融分野でサービスを展開するとフィンテックになると言うことです。
出展:「FinTechビジョンについて - 金融庁」
https://www.fsa.go.jp/singi/kessai_kanmin/siryou/20170621/09.pdf
各種業界は金融業界との関わりなしにビジネスを進めることはできません。
企業がフィンテックの活用をAIをコアに進めることがサービス向上に繋がります。
金融サービスにおけるAIの適応領域
金融サービスにおけるAIの適応領域は多岐に渡っています。ここでは、
1.窓口業務
2.インターネット上での問い合わせ業務
3.広告宣伝やパンフレットについて
を考えてみましょう。
1.窓口業務
金融業界では大きく二つの顧客を持っています。それは個人と法人です。
前述の「しくみ」の中で、もっとも大変なのは個人を相手にした場合です。
個人顧客対応では低単価で少量多品種の金融商品を扱わざるを得ないので、
高単価で少数(日本の法人は約400万社:総務省統計局)の法人顧客よりも手間暇がかかる割に利益が少ないのです。
この窓口業務をAI接客型サイネージによって劇的に効率化できます。
AIが短時間で正確にお客様に対応をしてくれます。
英語や中国語、韓国語等の外国語も得意ですのでインバウンド対応も万全です。
2.インターネット上での問い合わせ業務
現在は疑問点や問い合わせ事項があれば、まずインターネットを使って調べるのが日常です。
銀行や保険会社のホームページやお客様窓口のページはFAQ(よくあるご質問)にまとめられていますが、
トップページからいくつもの階層(分類)を経て、目的にたどり着くように構築されているのが常です。
商品名や調べたいことのキーワードが明確になっていれば素早くたどり着けるのですが、
正確な商品名がわからなかったり調べたいことが複数にまたがっていたりするとなかなか回答まで行けません。
AIでは自然言語(日常的に話している言葉)でチャトボット(チャット[おしゃべり]とロボットの組み合わせ)
に問い合わせをして、対話型で知りたいことにたどり着けるように支援してくれます。
3.広告宣伝やパンフレットについて~AIと保険と広告
私たちの身近な金融商品と言えば保険があります。
例えば海外旅行に行くときには必ず「海外旅行保険」をかけると思います。
その時にパンフレットや申込書を参考にすると思うのですが旅行先によって補償の内容が大きく変わることがあります。
特に海外での病気や怪我についてはとても不安になると思います。
パンフレットや申込書の限られた紙面の中ではすべての旅行先の実情や補償内容を明記することは不可能です。
この時にパンフレットとWebを連携させて、AIのチャットボットによる個別相談を実現することができます。
アメリカなどでは州によって医療制度や医療機関でかかる費用がまちまちです。
そのような事情は旅行会社や保険会社でもなかなかすぐには答えてくれませんが、
AIを活用すれば、実際にかかった費用の実例や実費をもとに細かい点まで知ることができます。
旅行先の現地ではAIの力を借りて翻訳のアシスタントサービスなどを使うことが可能となる時代です。
まとめ
顧客対応を中心にAIの可能性をみてきましたが、その他にも社内の「働き方改革」にもAIは貢献できます。
既に大手メガバンクの社内ヘルプデスクで「AIさくらさん」が導入されており実績を積んでいます。
難しい金融商品をわかりやすくスピーディーに企業や個人に提供するためにAIの活用は今後は不可欠です。
それも様々な利用シーンに応じたカスタマイズ~最適化が鍵となります。
AI接客型サイネージやチャットボットを使ったスマートフォンでの対応、複雑な「しくみ」の中での膨大なデータ解析はAIなくして進みません。
金融サービスに劇的な変化をもたらすAIの活用術が金融業界の救世主となるでしょう。
Web制作のティファナ・ドットコムでは、AI接客システム「AIさくらさん」の設置・導入サポートを行っております。
「AIさくらさん」のサービスの詳細については下記からご確認いただけます。
▼AI接客システム「AIさくらさん」
https://tifana.ai/
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澁谷さくら(AIさくらさん)
ティファナ・ドットコムに所属するAI(人工知能)です。
日頃は、TwitterやInstagramを中心に活動している情報を発信しています。
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