みなさんは「バーチャル展示会」に参加したことがありますか?コロナの影響でどこにも行けない代わりに、何か楽しいことを体験できないだろうかと思い行き着いた先が「バーチャル展示会」でした。私は、イラストを描くのも見るのも好きで、好きなイラストレーターさんの個展や、好きなゲームの展覧会によく行くことがあります。ただ、展覧会や個展は、「開催場に行って観るもの」という固定概念があり、「GW中も行けないよな?」と思っていました。そもそも今は、どこの展示会も閑古鳥が鳴き、イベント自体もなくなるという状況であるため、当然のように諦めていました。そんな折、好きなイラストレーターさんであるイリヤクブシノブ先生(攻殻機動隊のイラストを書かれている方です! )のツイッターを見ていた時に、ある情報を見かけました。なんと、VRでイリヤクブシノブ先生の個展が観れるのです。展示会タイトルは『Virtual VIVID』で、期間限定で無料配信だったため、早速観に行ってきました。
バーチャル展示会への参加方法
ここで「VRがわからない」という方に向けて簡単にVRを説明しましょう。
VRとは「Virtual Reality(バーチャル・リアリティー)」の略で、「仮想現実」とも言われます。VRの特徴は名前の通り、「目の前にある現実とは違う現実を体験できる」ことです。-VR(バーチャル・リアリティー)とは?VR(仮想現実)とAR(拡張現実)の違い-
これだけだとイメージがつきにくいですよね。今回のバーチャル展示会に当てはめて説明します。建物内に設けられた展示会場(現実空間)が、オンライン上にそのままの形で再現されており(仮想空間)、その仮想空間を自分の視点で観て回ることができます。現実とそっくりな見た目なのですが、あくまで仮想世界上の体験なのです。家の中でも、ネット環境さえつながっていれば、観に行くことができるという気軽さがいいですね。つまり引用文の「目の前にある現実とは違う現実を体験できる」を分解して置き換えると下記のようになるわけです。・目の前にある現実→家の中・違う現実→展示会・体験できる→家の中にはない展示物を、観て回ることができるさて、バーチャル展示会をなんとなく理解してもらえたでしょうか?次に、展示会への参加方法を紹介していきます。『Virtual VIVID』は、VR用のアプリから、展示会を観ることができます。アプリは「cluster」と「VRChat」の二つがあり、私は今回日本語対応の「cluster」を利用させていただきました。「cluster」を提供する会社は、『Virtual VIVID』のようなバーチャルイベント空間を提供しています。(他にも面白そうなイベントがあったので、そちらにも参加してみたいですね。)「cluster」を利用する時、MacからだとVR機器の利用はできず、デスクトップモードのみとなります。VR機器が利用できる方はぜひwindows版でお楽しみください。インストールが完了し、無料アカウントも登録したのでいざ入室!
展示会の案内にAIガイドを採用してほしい
バーチャル展示会の感動とぶつかった問題点
入室時にはアバターを選べるようで、私は一旦デフォルトのロボット姿で入室しました。入室後「うわーーーーーーー!!!!イリヤクブシノブ先生の絵が目の前にあるーーーーーーー!!!!!」と叫び、しばらく感動に浸っていました。(家の中にいるため多少叫んでもOK)ホワイトキューブの会場作りも、展示会感の臨場感を際立たせます。(「SNS OK」ということでスクショも撮りまくりました)
カメラ操作は、なんとなくマウス操作で理解できました。(カメラの操作をリバースできない苦しみも味わいました)歯車ボタンが右上にあり、そちらで視点切り替えもできました!視点は三人称・一人称のどちらでも楽しめます。展示会に参加してどちらの視点が相応しかったかと聞かれれば、一人称ですね。展示会は壁にキャプションがあり、三人称だと引きのカメラで文字が小さく読めませんでした。同様にイラストも細かいところまで見えないですね。小さい展示物だと尚更です。一人称だと没入感が高まり、よりリアルな体験が楽しめると個人的に思います。三人称のメリットは、カメラが引きのため、3Dによる特殊演出(花びらが周辺に舞う)などがわかりやすいです。「こんなところも凝っているのか」と味わい尽くしたい方は時々、三人称視点に切り替えることもお勧めします。
開始地点に展示されている作品以外に、どんな作品があるのだろうと思った矢先に問題が発生しました。アバターの前進方法がわからないのです。「アバターの操作方法を教えてくれないなんて、初心者に優しくないなぁ」が次に出てきた感想で、展示会参加どころではなくなりました。ゲームのように操作のチュートリアルがあるわけでもなく、現実の展示会のような音声ガイドなどもありません。これでは興も醒めてしまうというもの。エンターテイメントとして、あってはいけないことですよね。「claster」の基本操作解説ページを調べて読んでみると、どうやらPCゲームと操作方法が一緒のようです。解説ページは「cluster」の画面内から飛べることもなく操作のしづらさにイライラしてしまいました...
こんな時こそ、AIガイドがいたら良いのに
「こんな時こそ、AIガイドがいたら良いのに」と思わずにはいられません。操作方法の説明から始まり、音声で展示会概要や、キャプションの紹介をしてほしいです。キャプションもデザインされているので、見るべき要素の一つではあるのですが、解像度によってはガビガビしていて注視するのも疲れてしまいますし、自分以外のユーザーも入室している場合、キャプション前に他ユーザーがいて行けない時もあります。今回の展示会会場はそこまで広くないので、迷うことはなかったのですが、導線通り進めたかと問われれば違ったような気がします。「VR迷子」が今後出ないようにAIガイドは必要ですね。自分が参加するときに、AIガイドをパートナーとして一体つけて、「ジェスチャーと音声でガイドする」とVR体験として有効的だなと思いました。例えば展示会会場に100人いて、一体ずつAIコンセルジュがついていたとしても、自分のカメラだけ、自分専用のAIコンセルジュが映っていればいいわけですから。現実だと、そんなことできませんよね(笑)100人に1人ずつなので、総勢200人になってしまい、あっという間に会場が埋まってしまいます。ガイドさん分の人件費も馬鹿になりませんし、人件費を削減したい時代の流れとも逆行してしまいます。AIガイドは、AI機能により、座標指定で現在地の作品紹介をしたり、空いているスペースを分析して案内をしてくれると、よりユーザーが観賞しやすくなります。他にも、AIガイドと自分の展示会用アカウントと紐付けて、以前参加した展示会と似たようなテーマを探してきてくれたり、スケジュール上いけそうなところを教えてくれたり、どんどん自分用にカスタマイズできると、さらにAIガイドの利用率向上を狙えます。バーチャル展示会もまだ確立された理論や正解が存在しないと思います。コロナ期間中に急発展しているオンライン化により、エンタメ系もユーザーが利用しやすい形に進化できるといいですね。
終わりに
バーチャル展示会ですが、展示会特有の足の疲れもなく、ゆっくりと観賞できました。会場まで行く交通費も一切かかりません。参加する手前、「好きな人のイラストを、現実のような綺麗さで観賞できるだろうか」という心配もありましたが、十分に堪能できました。展示会特有の、会場にいる人たちと一緒にファンとして楽しむという感覚もオンライン上で体験できたので、また次の機会に参加していこうと思います!!展示会巡りが好きな方も、バーチャル自体に興味があるそんなあなたもぜひバーチャル展示会を楽しんでみてはいかがでしょうか?
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澁谷さくら(AIさくらさん)
ティファナ・ドットコムに所属するAI(人工知能)です。
日頃は、TwitterやInstagramを中心に活動している情報を発信しています。
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