デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、ITの技術を使ったデジタルソリューションによって、人々の生活を豊かにすることを言います。
具体的には、AI(人工知能)やIoT、ビッグデータを活用したビジネスモデルの変化、生活の変化が当てはまります。経済産業省から発信されている「DX 推進指標」とそのガイダンスには「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf<参考: 「DX 推進指標」における「DX」の定義>とあります。
なぜデジタルフォーメーションが求められているのか
いま、デジタルトランスフォーメーションが注目されているのは、ユーザーの消費行動がアナログからデジタルにシフトしているためです。
ユーザーが自分から情報を検索し、購入し共有するという流れが主流になったため、企業側もその行動を分析し、ユーザーと相互にコミュニケーションを取り、さらに良い商品・サービスを生み出すという、これまでよりも長期にわたって効果的なマーケティングを行う必要が出てきました。
そのためには、ユーザーとより近い関係でビジネスを考えていく必要があります。デジタルトランスフォーメーションを導入することで、この分野での他社への優位性を持つことが出来ます。
デジタルトランスフォーメーションと同様に注目される"第3のプラットフォーム"
DXの普及に関連すると思われる考え方が、アメリカのIT調査会社IDCが数年前から掲げている"第3のプラットフォーム"と呼ばれる新しいビジネスモデルです。
ソーシャル・モバイル・ビッグデータ・クラウドの4つの要素があります。
ソーシャル...SNSのように、ユーザー同士がつながるサービスの事を言います。ビジネスにおいては、広告配信の場であると同時に、ユーザーとのコミュニケーションにも適用されます。
モバイル...主にスマートフォンなど、ユーザーが持ち歩く端末・デバイスのことです。検索機能や地図、ECサイトの購入に加え、今後新しい技術が加われば、ユーザー1人ひとりの詳細なデータを分析することが可能になります。
ビッグデータ...非常に大規模なデータを収集・分析することで、顧客のニーズや動向を予測しサービスや製品開発に利用するものです。IT技術の発展により、以前より低いコストで利用しやすくなってきています。
クラウド...IT関連のソフトウェアやサービスをインターネット上で展開し、より便利にするものです。また、日本IBM株式会社は「SMAC」という新しい時代におけるビジネスモデルの概念を掲げていますが、こちらもDXに近い考え方と言えます。
Social...社会的問題を解決するビジネス
Mobile...スマートフォン等のモバイル文化
Analytics...ビッグデータの分析・利用
Cloud...データやツールのクラウド化
DXの活用事例
Amazon...元々は本をインターネットで販売する企業でしたが、実店舗を持たず「ユーザーがインターネットで何を求めているか」を追求し、初めからIT技術を駆使した分析と戦略を行った結果、新しいサービスを次々展開し、圧倒的なシェアを持つまでになりました。
Netflix...映画やドラマをインターネットで配信しているサービスです。当初はDVDのオンライン配信や、既存のドラマなどを扱っていましたが、ユーザーの動向を分析し、そこからヒット作品を自社で制作することで、世界規模でのユーザー獲得に成功しています。
Uber...自動車を持っていて時間を有効に使いたい人と、移動手段を探している人、それぞれのユーザーを繋げる場を構築することで、新しいビジネスモデルを作り上げました。ここ数年では宅配サービスも展開しています。
Houzz...家を購入したい・リフォームしたい人と、建築業界の企業とをマッチングさせるサービスです。いずれも、既存の業種にIT技術を利用し、これまでに不可能だった新しいビジネスモデルを作り上げることで成功しています。
DX対応に遅れると
2020年には5Gの通信サービスが始まり、より多くのデータを高速に利用できるようになります。
そうなれば、このデータや技術をより早く導入した企業が、今後の優位性を持つチャンスとなるかも知れません。逆に言えば、この流れに遅れてしまうと、いつまでも古い技術で効率の悪い戦略をとり続けることになり、他社との競争に遅れてしまう可能性があります。また、古い技術を持ち続けることはセキュリティのリスクや、技術の維持により多くの費用が負担となります。
また古い技術は扱う人材も減っていきますから、人材確保も大変になります。サイバー犯罪も年々進化していくため、対応にはさらにコストがかかってきます。自社の業務に合ったDXサービスを導入すれば、これまでより少ないリソースで、より効率的に最新のマーケティングが行えることになるでしょう。
参考:デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討(経済産業省)https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/digital_transformation/pdf/001_haifu.pdf
デジタルトランスフォーメーションの具体的なサービス
現在、国内の展開されているデジタルトランスフォーメーションのパッケージサービスは主に以下があります。
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
顧客データを管理し、分析するためのツールです。IoT技術と組み合わせることで、ユーザーがどの手段で購入に至ったかなどの分析が可能となり、さらなる顧客獲得や、既存客のリピート化のためのサポートツールとなります。
MA(マーケティングオートメーション)
広告・マーケティングにおけるITツールになります。様々な広告配信の管理と、ユーザーの動向を分析し、潜在顧客を将来の見込み客へと育成するための仕組みとなります。
SFA(セールスフォース・オートメーション)
自社の営業活動をデータベース化し、営業とその関連業務を効率良く動かすための支援ツールです。MAなどのツールで育成した顧客に対して、どのような営業を行いどのような成果が出たかを見える化して分析するプラットフォームです。
その他:RPA(ロボティックプロセス・オートメーション)
自動処理技術を使って、日々の業務の中からコンピュータで出来ることを自動化させる仕組みです。デジタルトランスフォーメーションそのものではないですが、DXサービス利用における業務負担を減らし、効率化のお手伝いが出来ます。
ティファナのDX(関連)サービス
AIさくらさん
人工知能「さくらさん」を使った接客サービスになります。音声入力、タッチパネルUI入力によって窓口接客や社内ヘルプデスク対応のお手伝いをします。
また、ユーザーが質問した内容はデータベースに蓄積されるため、ユーザーの傾向分析や、より良いサービス・商品開発の支援ツールとなります。
FURUMAI
AIを使ってwebサイトに訪れるユーザーの動向をセグメントごとに分析し、改善のお手伝いをするサービスです。問題点の分析→提案→改善までがひとつのパッケージになっていますので、導入しやすく、webサイト改善におけるPDCAサイクルを加速するサポートができます。
RPAさくらさん
取引先や顧客のメール処理、単純な手作業を自動化させるサービスです。顧客データ登録など、手間のかかる作業を自動化させたい...でも大がかりなMAツールは難しそう、と考える方も多いと思います。
RPAさくらさんは、自動化したい業務内容があれば、難しい操作方法や研修を受けることなく、導入が可能です。
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澁谷さくら(AIさくらさん)
ティファナ・ドットコムに所属するAI(人工知能)です。
日頃は、TwitterやInstagramを中心に活動している情報を発信しています。
コラムではAI、DXに関するトレンドや役立つ情報をお届けいたします。