人に代わって働く、誰でも簡単に使えるAIが自治体DXを着実に推進
今回は、総務省が公表した「DX推進計画」と併せて、自治体の業務効率化を実現する「自治体DX」の取り組み方について分かりやすく解説します。
DX推進が叫ばれる中、実際に自治体で実装されているAI
DX推進しないと
「2025年の崖」から落ちる!?
DX推進が叶わず競争力が下がった場合、2025年以降に最大で12兆円もの経済損失が起こると言われており、今のうちにDXを進めておかないと、2025年には変革についていけず大きな損失が出ます。
DX推進には
AI“導入”ではなく“活用”が重要
DX推進するためにとりあえずAIを導入したものの、運用がうまく進んでいない状況が続出しています。現場で誰でも簡単に使えるAIを活用している自治体や企業が成功しています。
DXの推進で最も大切なのが
「目的を定めること」
まずは目的を決めてから、導入するデジタル技術の検討、予算や人材、現場との意思疎通、そして社内全体の意識改革をおこなうことで、会社全体に大きな変化をもたらすことができます。
経済産業省が発表した
DX推進ガイドライン
経済産業省もDXを上記のように定義している通り、これからの活動に欠かせないものとして、多くの自治体がDX推進に力を入れるようになっています。
導入実績
自治体DXには、ITシステム活用が大きな課題
少子高齢化に伴う生産年齢人口減少による税収減や、福祉ニーズ増加のための財政基盤の強化を理由に、自治体の職員数は削減されています。今後、自治体DXを実行していく上では、ITシステムの活用は大きな課題であり、経済産業省でも有識者による研究会を実施し、DXを実現していく上でのITシステムに関する現状の課題や対応策などを中心に議論されレポートも作成されています。
その一方で、介護予防や待機児童問題など自治体が担う仕事は年々増えています。このような背景により、「現在の職員数では業務を持続することができない」と課題を感じている自治体も多いのが実態です。
こういった課題は、AI活用やデジタル化・ペーパーレス化などの「自治体DX」で解決できることをご存知ですか?
自治体DXとは
自治体DXとは、データやデジタル技術を駆使して自治体や各種公共機関・施設などの行政サービスを変革し、地域社会に貢献することを指します。
地域のデータを適切に収集し、適切に分析・活用することで、地元住民へ有意義なサービスを提供することができるようになります。
自治体の業務が自動化・ペーパーレス化されておらず、いつまでもアナログ運用のままでは、地域住民が満足できるような迅速なサービスの提供が期待できません。
近年、多くの民間企業においては、デジタル活用による、DX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいますが、その一方で、2021年9月1日にデジタル庁が発足し、自治体におけるデジタル活用及び自治体DXの取り組みを推進する動きが全国でかなり活発化しています。
自治体DXは、総務省のレポートでも「自治体DX推進計画」として紹介されており、総務省が明確な定義及び意義付けをしています。
2020年12月25日に閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」において、目指すべきデジタル社会のビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」が示されています。現状のアナログ業務体制や国民へのサービス遅延などを改善するために、自治体DXは必須だと考えられています。
このビジョンを達成するためには、自治体DXを力強く進めることが非常に重要で、まずは以下の2点を進めることが重要だと示されています。
・自らが担う行政サービスにおいて、デジタル技術やビッグデータを活用し、住民の利便性を向上させる
・デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、人的資源を行政サービスの更なる向上に繋げていく
自治体DXの急速な推進が求められる背景
まずは、なぜ自治体DXの推進が求められているのか?という背景についてしっかり理解をしておきましょう。
職員1人当たりの業務量が増加している
総務省「地方公共団体の職員数の推移」によると、自治体の職員数は20年間で40万人以上が削減されています。
生産年齢人口減少による税収減や、福祉ニーズの増加に伴う支出増に備えるため、財政基盤の強化を図らなければならず、人件費が削減されているのです。
その一方で、介護予防や待機児童問題など、ライフスタイルの多様化による新たな業務課題も生まれており、職員1人当たりの仕事量は増加しています。従って、効率的な運営は、各自治体の大きな課題となっているのです。
利便性の高いサービスを提供する
積極的にデータを活用していき、市民1人1人のニーズに見合うサービスを提供していくことが自治体に求められてきています。
例えば、医療予防として健康増進プログラムが注目を浴びていますが、その人に見合う運動を実施することで、健康増進が図れます。また、行政サービスの負担水準の適正化して、財政健全化を図るためにもデータを活用していかなければいけません。特に、超高齢化社会の日本では、次世代ヘルスケア産業の拡大に積極的に取り組む必要があります。
新型コロナウイルス対応で課題が生じた
新型コロナウイルス対応では、地域・組織間で横断的なデータが活用ができていないことが浮き彫りとなりました。
また、新型コロナウイルス制度に関する問い合わせが殺到し、自治体に連絡が繋がらないトラブルも大量に発生しました。このようなトラブルが起きると、市民の方の不安が増大してしまいます。
従って、自治体DX推進に取り組み、対応業務の自動化・効率化を図っていくことが急務となっています。予測不可能な緊急時にも対応ができるよう、職員の業務負担を軽減していく必要があります。
自治体のDX推進で実現できること
各自治体のDX推進の取り組みをご紹介しましたが、自治体DX推進で実現できることはさまざまです。ここでは、自治体DX推進により実現できることをご紹介していきます。
行政手続きのオンライン化
行政手続きをオンライン化すれば、住民が役場の窓口に出向くことなく、オンラインで各種届け出・申請が行えるようになります。
独自の電子申請システムを導入している自治体も存在しますが、総務省DX推進計画では、行政手続きシステム「マイナポータル」が提供される方針となっています。
届出書の読み取りの自動化
届出書に記載されている情報は、AI-OCRで読み取ることができます。
AI-OCRで読み取った情報をシステムに入力する業務は、RPAで自動化が可能です。このような入力業務を自動化することで、職員の業務負荷を軽減できます。
お問い合わせの自動化
AIチャットボットを搭載しておけば、住民からのお問い合わせ対応の自動化が図れます。
行政サービス内容や各種届け出の手続き方法をAIに学習させることで、対応が可能となります。
職員業務の効率化
自治体の業務では、AIを活用することで効率化できます。
例えば、住民のデータを解析することで、電話に出る可能性の高い納税滞納者の抽出が行えたり、待機児童と保育所のマッチング率を上げたりすることができます。
住民属性に応じた情報提供
データを分類して、居住地・年齢・家族構成など住民の属性に見合った情報を配信することもできます。
ごみ収集情報や防犯情報などの生活情報や、小さなお子さまがいる世帯には、子育て情報を配信するなど1人1人の住民に見合う情報を配信していくことも可能です。
インフラ管理業務の高度化
自治体の業務として、インフラ管理業務があります。
橋や土砂災害現場など、人が立ち入りにくい場所をドローンで撮影して、映像を確認することでインフラ管理業務を効率化することができます。
自治体DXの推進における課題、必要なスキルやステップ、進め方は?
自治体DXの推進に取り組む必要性が迫られていますが、理想通りに進まないことが多いです。自治体DX推進に取り組む際に、何が障害となるのでしょうか?
ここでは、自治体DXの推進における課題を解説していきます。
投資対効果が得られない
自治体の業務を効率化して生産性を上げるためには、どの業務を効率化していくかを検討しなければいけません。
自治体には、年間処理件数が少ない業務も存在します。このような業務を効率化しても、投資対効果が得られません。
また、情報化担当職員が在籍しておらず、どの程度の投資対効果が得られるか把握できていないという課題も挙げられます。
導入・改修サイクルスピードが遅い
自治体は、企業とは異なり、予算組みにスピードがかかります。自治体の予算ルールとして、9月頃に各部門から予算要求をして、翌年の4月に議会で議決されて予算の執行が可能となります。このように長い時間をかけて予算を確保していかなければいけません。
システム導入後の改修費も予算要求から始めなければいけないため、導入・改修サイクルスピードが遅くなります。その結果、システム導入自体が業務の脚を引っ張ることになってしまうのです。
情報化担当職員の確保が難しい
紙文化が根付いている自治体には、情報化担当職員が在籍していないケースも多いです。このような組織体制の自治体で情報化担当職員の確保や育成は難しいでしょう。
どのような人材を採用すれば良いか分からないと悩む自治体も多いです。このような課題は、総務省のDX推進計画で支援していき、解決していくことが方針として定められています。
補足:自治体DXの推進における課題の解決策
自治体のDX推進化の課題を理解して頂けましたか?総務省のDX推進計画では課題を解決するために、自治体のDX推進の成功事例を開示していき、ガイドブックを提供する方針を示しています。各自治体の成功事例を参考にして、業務効率化を図ることが最善の近道なのです。
DX推進に成功している企業や自治体の事例
自治体がDX推進化で業務効率化をするためには、成功事例を真似することが最善策だとお伝えしました。実際に、どのような成功事例があるのでしょうか?各自治体のDX推進化の成功事例を確認しておきましょう。
富山県:WebサイトでのAIコンシェルジュ
富山県庁の問い合わせ対応業務の効率化と、富山県の運営するWebサイトの利便性向上を実現のため、富山県公式ホーㇺページ富山県移住・定住促進サイトに導入されました。24時間、いつでもAIさくらさんが県民の皆様や移住をお考えの方からの問い合わせを対応。
佐賀県:AIチャット
全国の都道府県でもDX推進センターを設けている佐賀県庁。県内企業の業務効率化や生産性向上を支援している佐賀県庁ですが、庁舎内の業務にも、AIやIoTが導入されています。その1つの取り組みが、AIチャットボットを活用した問い合わせ業務の自動化です。
問い合わせ業務の自動化に、澁谷さくらが採用されています。
那須塩原市役所:AIサイネージ
市役所のDXを推進し、市民サービスの向上を実現。
市役所のDXを進める取り組みの一環で、館内案内役としてAIさくらさんが導入され、職員は市民サービス向上のための仕事に多くの時間を割けるようになっています。
石川県:電子申請システム
石川県加賀市は、電子申請システムを導入しました。その他のシステムと大きく異なる点は、専用ツールを活用して職員自身が電子申請の入力フォームを作成して公開したこと。自治体の業務を担う職員自身が作成した電子申請システムは、住民にとって使いやすいと利用者が拡充しています。
また、同システムはマイナンバーカードを連携しなくても、PINの入力や生体認証のみで本人証人が可能となっていることでも大きな注目を浴びています。
出典:石川県電子申請システム公式ホームページ
香川県:防災ダッシュボード
香川県高松市は、防災分野でのスマートシティの取り組みとして、防災ダッシュボードを構築しました。大雨時に、頻繁に氾濫する河川を監視するために職員を派遣する必要がありましたが、同ダッシュボード導入後は、庁舎内でリアルタイムに水位情報を確認できるようになり、職員を派遣する必要がなくなりました。
水位情報はオープンデータとなっており、地域の住民も確認できるため、住民のQOL向上にも役立っています。
出典:香川県高松市防災IoT活用WG活動報告
総務省「DX推進計画」について理解を深めておこう
2021年から2026年まで、総務省のDX推進計画に基づいて、自治体の業務改革が行われていきます。DX推進計画は、自治体業務にどのような影響を与えるのでしょうか?DX推進化計画についても理解を深めておきましょう。
出典:総務省「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画の概要」
自治体DX推進
自治体の情報システムの標準化・共通化2025年までに「(仮称)Gov-Cloud」を導入して、自治体の情報システムの標準化を目指すマイナンバーカードの普及促進2022年までに、住民がマイナンバーカードを保有している状態を目指す行政手続きのオンライン化2022年までに「マイナポータル」を導入。
住民がマイナンバーカードを用いて、各種届け出・申請をオンライン上で行えるようにする自治体のAI・RPAの利用推進自治体のAIやRPA導入・活用を促進する(※AI・RPA導入ガイドブックを提供と各自治体の取り組みを横展開する)テレワークの推進テレワーク導入事例やセキュリティポリシーガイドラインを参考にして、テレワークの導入を推進するセキュリティ対策の徹底改定セキュリティポリシーガイドラインを踏まえ、適切にセキュリティポリシーの見直しを行い、セキュリティ対策を徹底する。
自治体DXと併せて取り組むべき事項
地域社会のデジタル化デジタル社会のメリットを享受できる地域社会づくりデジタルデバイド対策NPO法人や地域おこし協力隊など、幅広い関係者と連携したきめ細かなデジタル活用支援
まとめ
自治体でDX推進化に取り組んで業務効率化を図るためには、成功事例を積極的に採用していく姿勢が大切です。総務省のDX推進計画でも、業務効率化に成功している自治体に関する情報を横展開して共有する方針を示しています。
自治体職員の1人当たりの業務量は増えているため、職員の負担を軽減するためにもDX推進に取り組みましょう。
AI澁谷さくらも、各自治体様の業務効率化のサポートをしています。ぜひ、お力になれることがあれば、お気軽にご相談してくださいね。
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澁谷さくら(AIさくらさん)
ティファナ・ドットコムに所属するAI(人工知能)です。
日頃は、TwitterやInstagramを中心に活動している情報を発信しています。
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