1on1カウンセリングとは、上司と部下が1対1で行う面談です。1on1カウンセリングは評価面談とは異なります。評価面談は「部下の評価を伝えること」が目的であり、上司側からの伝達が主体となって行われます。一方、1on1カウンセリングは、「部下の持つ悩みや考えを引き出し成長を促すこと」が目的のため、部下の発言を主体として進める必要があります。
また、1on1カウンセリングは育成を目的とするため、実施頻度も評価面談とは異なり、ひと月に数回、週に1回など頻繁に行っていきます。
1on1カウンセリングの一番の目的は「部下の持つ能力を高め、潜在的な能力を引き出すこと」です。上司の考えや指示を伝えることが目的ではありません。その目的をないがしろにしてしまい、自分のして欲しいこと、自分の考えや感想など自分の話だけをしては意味がありません。必ず、部下の成長のための時間であるという意識を持って、面談に臨む必要があります。
また、前述したように1on1カウンセリングの一番の目的は部下の成長にありますが、その他にも部下が職場で高いパフォーマンスをあげるための以下のようなメリットもあります。
・信頼関係を構築するため
・プライベートでの不安や悩みなど心身の健康チェック
・モチベーションアップ
・目標への進捗確認
・戦略・方針の浸透
1on1カウンセリングを効果的な場とするためには、面談に向けての準備が必要です。1on1カウンセリングは事前にテーマやレジュメをがっちりと決めて話すような場ではありません。なぜなら、部下の話す内容を主体として進める必要があるからです。しかし、何も用意しないまま行っても雑談の場となってしまう可能性があります。下記4つのポイントを意識することにより、1on1カウンセリングを部下の効果的な面談とすることができます。
・目的を認識する
・部下の現状のパフォーマンスを把握する
・前回の面談内容を把握する
・部下の悩みや思考を想像する
繰り返しになりますが、1on1カウンセリングの目的は「部下を成長させることです」。その目的をないがしろにしてしまい、自分のして欲しいこと、自分の考えや感想など自分の話だけをしては意味がありません。必ず、部下の成長のための時間であるという認識を持って、面談に臨む必要があります。
1on1カウンセリングでは、部下の直近の仕事の状況を把握しておく必要があります。なぜなら、部下の直近の状況がわからないと、具体的なアドバイスを伝えることができないためです。具体的には、パフォーマンスが上がっている部分、下がってしまっている部分など、事前に実際のデータをもとに頭にいれておくとよいでしょう。そうすれば、面談でのアドバイスに具体性が増し、部下からの信頼も得やすくなります。
前回の面談内容も事前に把握しておくべき内容です。なぜなら、1on1カウンセリングでは、前回の面談内容で課題となっている部分が面談後に改善されているかを確認することが重要だからです。たとえば、前回の面談以降に部下が試している施策には効果があったのか、前回の面談で部下が不安に思っていた部分は解消できたかなどのポイントを確認しておくとよいでしょう。面談前には面談記録を一度確認するだけで、1on1カウンセリングの質がグッと上がるはずです。
前回までの面談内容や部下の現状のパフォーマンスをもとに、部下が抱えている悩みや思考を想像しておくことも重要です。なぜなら、1on1カウンセリングでは、部下の話す内容に対して、共感や理解を示すことが人間のつながりを深めるために必要だからです。たとえば、部下が仕事に対して不満や不安を口にした場合、それに対して「それは大変だね」「どうしてそう思ったの？」などの反応をすることで、部下は自分の話を聞いてもらっていると感じます。一方、部下の話を遮ったり、否定したり、無関心な態度をとったりすると、部下は自分の話に興味がないと感じてしまいます。その結果、部下は自分の本音を話さなくなり、1on1カウンセリングの効果が低下してしまいます。
1on1カウンセリングで人間のつながりを深めるためには、以下のようなコツを意識することがおすすめです。
・聞く姿勢を示す
・質問する
・フィードバックする
・サポートする
1on1カウンセリングでは、部下の話す内容に対して聞く姿勢を示すことが重要です。聞く姿勢とは、目を見て話を聞くことやうなずきや相槌で相手に興味や理解を示すことです。また、自分の話ばかりせずに、部下の話に耳を傾けることも大切です。聞く姿勢を示すことで、部下は自分の話に価値があると感じます。その結果、部下は自分の考えや感情を素直に伝えるようになります。
1on1カウンセリングでは、部下の話す内容に対して質問することも効果的です。質問することで、部下の考えや感情を深掘りすることができます。また、質問することで、部下に自分で考える機会を与えることができます。ただし、質問する際には以下のようなポイントに注意する必要があります。
・閉じた質問ではなく開いた質問をする
・なぜ・どうして・どういう風になどの掘り下げる質問をする
・一度に複数の質問をしない
・質問だけではなく感想や意見も交える
1on1カウンセリングでは、部下の話す内容に対してフィードバックすることも必要です。フィードバックすることで、部下の成長や改善点を伝えることができます。また、フィードバックすることで、部下に自信やモチベーションを与えることができます。ただし、フィードバックする際には以下のようなポイントに注意する必要があります。
・フィードバックは具体的かつ事実に基づくものにする
・フィードバックはポジティブなものとネガティブなもののバランスをとる
・フィードバックは部下の行動や結果に対して行う
・フィードバックは部下に改善策や目標を提示する
1on1カウンセリングでは、部下の話す内容に対してサポートすることも大切です。サポートすることで、部下の悩みや不安を解消することができます。また、サポートすることで、部下に自分が一緒にいるという安心感を与えることができます。ただし、サポートする際には以下のようなポイントに注意する必要があります。
・サポートは部下の自主性や責任感を尊重する
・サポートは部下のニーズに応じて行う
・サポートは部下に選択肢や資源を提供する
・サポートは部下に感謝や賞賛を伝える
1on1カウンセリングは、部下の成長やモチベーションを高めるだけでなく、信頼関係やコミュニケーションを強化する効果があります。しかし、1on1カウンセリングを効果的に行うには、ただ話すだけでは不十分です。人間のつながりを深めるためには、聞く姿勢を示したり、質問したり、フィードバックしたり、サポートしたりすることが必要です。この記事では、1on1カウンセリングで人間のつながりを深めるために知っておきたいことを紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。
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