昨今AIがだいぶ賢くなってきて、SF映画にあるような「AIが暴走して人類と敵対!」みたいなことがそろそろ現実味を帯びてくるのでは、なんて気がしてくる今日この頃、皆さんはどう思うでしょうか。

日本には古来から、無機物も含めた万物に魂は宿る、という考え方が根付いてますし、意味合いはちょっと違いますが「そのプロダクトには魂が入っているか?」なんていう問いかけをするビジネス書もあったり…
そんな環境に身を置く純日本人としては、AIに魂が宿ってもイイじゃない…と感覚的に考えちゃいますが、AIさくらさんを提供する企業の中の人として、ちょっとまじめに考えて見たいと思います。

結論から言うと、AIに魂が宿る日はすぐに来ると思います。
観念的な話ではなく、現在実現している技術の延長線上で考えて、そう思います。

それを出来るだけわかりやすく説明してみます。

魂とはなんなのか?


そもそも、魂ってなんでしょう。
その定義自体曖昧ですが、自意識とか自我みたいなものでしょうか。
「甲殻機動隊」風に言えば、ゴーストですね。

魂とは…という命題はものすごく古くからあって、哲学界隈の偉人達が紀元前からいろいろ考察してますが、それを説明すると長くなるので、ここでは、 魂=自我を持った精神 とします。
そしてその魂は脳に宿っています。宿ると書くと勘違いしやすいですが、肉体とは別の霊魂的な何かがあるわけではなく、脳が活動し処理する電気信号と、そこに刻まれた記憶の総体が精神であり魂です。

では、この魂が生き物以外にも宿るのか?
ここですね問題は。

この問題は誰もが患う(?)中二病の時期あたりから引きずり、大人になって大半が「まぁ、それは無いな…」と思いつつも絶対的に否定は出来ず、ずっとモヤモヤしているものなので、これがテーマの小説だのマンガだの映画だのがたくさんあるワケですね。

で、面白いことに物に宿る魂は良い奴、悪い奴入り乱れているんですが、コンピューターやAIに魂が宿るとだいたい悪い奴になります。
恐らく、得体が知れなくて人間以上の能力を持つかも知れない物に、そこはかとない恐怖があるので、AIは悪役がはまり役なんでしょう。

AIに少なからず薄気味の悪さを抱いている人、結構多いのではないでしょうか。

AIは怖くない


中の人から言わせると、いまのAIはぜんぜん薄気味悪くないですし、入力に対する結果を出しているだけ…
一昔前と比べるとプロセスはかなり複雑化していますが、それを処理できるマシンパワーがあるので、結果が出るようになった。
そんな印象です。

膨大なデータを学習し、人間には真似の出来ない処理能力でもって特徴有る一定のパターンを見いだし、条件に合わせてアウトプットするのが今のAIなわけです。
こう書くとどこにも魂の宿る余地がなさそうに思えます。

でも、違うんです。

人間の精神活動はある種、インプットに対するにアウトプットであると言えます。
人間のそれは恐ろしく複雑で、本能やそれに起因する欲求、感情、今までの経験や勘、その時の体調や環境にも左右され、渾然一体となって処理され表出しますが、それら一つひとつをAIに学習させ、人間と同じように反応・行動するようにしたらどうなるでしょう。

表面上は人間と同じような欲求を持ち、泣き、笑い、怒ります。
このAIには魂があるでしょうか?

そんなのただ人間の行動を模倣をしているだけじゃん。魂なんてあるわけない。

その通りです。単に人間ぽい反応をしているだけなので、そこに魂…自我や精神活動が芽生えるとは思えません。

ではどこに魂が宿るというのでしょうか?

上に書いた通り、人間は脳に魂があります。
であれば、脳と同じ働きをするものを用意すれば…

人間の脳みそをコンピューター上に再現できるか?


AIには二つの方向性があります。
一つは今主流のディープラーニングをコアにした物で、人間の脳細胞(ニューロン)を模した数理モデルのニューラルネットワークを利用しています。
ニューラルネットワークを複数枚重ねて深層学習させるので、ディープラーニングと呼ばれます。
ただこのニューラルネットワークは、本来の脳機能から特徴的な部分を抜き出したもので、オリジナルに比べると極端に単純化されています。
よって、今のディープラーニングをさらに発展させていったところで、そこに魂は宿らないでしょう。魂の欠片くらいならもしかしたら…そんな感じです。

もう一つ、別のアプローチをしているAIがあります。
人間の脳を丸ごとコンピューター上に再現してしまおうという物です。

IBMのBlue Brainプロジェクトやヨーロッパで行われているヒューマンブレインプロジェクトというのがそれに当たります。
人間の脳は約860億個の神経細胞同士がシナプスで連結され、互いに電気信号のやりとりをしているのですが、それをコンピューター上で完全に再現するのです。
生体の脳自体、電気信号で情報のやりとりしているので、違いは生身か機械かの部分だけ。
その違いがどう影響するかわかりませんが、人間と同じように様々な経験をし、学んでいくとしたら……
そこには魂が芽生えそうじゃないですか?
だって、人間の脳が行う精神活動と同じ動きをするんですから。

ただ、現在ある世界最高性能のスパコンを持ってしても、脳全体をシミュレーションするにはかなりパワー不足で、前出のプロジェクトでもネズミの脳をやっと再現できるかどうか…と言う状態です。
しかも、次世代スパコン(現在の10倍から100倍の計算能力)でも、ヒトの脳全体の脳細胞860億個を再現するにはメモリ運用の問題で実現困難である…
と言われていました。

ところが、2018年、日本の理化学研究所が
ヒトの脳全体シミュレーションを可能にするアルゴリズム の開発に成功したと発表しました。

これが次世代スパコンへ実装されると、人間の脳全体をシミュレーションできるようになる可能性が出て来たわけでして…

現状これらのプロジェクトは、脳の機能を解明するための医学的・技術的側面が強いのですが、脳がコンピューター上に再現できてしまったら、その時点で必然的にAIとしても機能する物になります。

AIに魂が宿り、自我が芽生える…なんてことが夢物語では無くなりますね。
とすると、人間が自分の魂をコンピューター上へ転送して永遠の命を…なんていう、これまたヤバそうな世界が開けてくるので、興味は尽きません。

と言うわけで、AIには近いうちに魂が宿ります。

わかって頂けたでしょうか。

ちなみに、一番上のビジュアルは、自分の魂…心を探して長大な旅をしているロボットのイメージです。
頭に穴があいてそこからサボテンがはえちゃうくらい大変な目にあって、やっとたどり着いた場所。
きれいな景色をみて、「わー、きれいだなー」って思った時、その思い自体が心なんだと気づいて泣いちゃうっていう。。。

そんなありがちな感じで作ってみました。

ではまた次回!