世の中にAIという言葉が生まれたのは1958年。人間が行っている行動やクリエイティブな作業を機械に任せるという考えは昔からあり、新技術が発表されるたびに幾度となくAIブームが囁かれてきました。ブーム収束後も技術発展は続き、2020年現在、世は「第三次AIブーム」ど真ん中。
この第三次AIブームは、人の深層心理の解析やクラウドを用いた膨大なデータの処理により、今までできなかった知的な行動が一気に実現可能になったのが特徴です。
この特徴の恩恵を大いに受けているのが、絵を描く、モノを作るといったクリエイティブなジャンルです。中でも、大昔から存在する人間独自のエンターテインメント「音楽」をAIが創出できるようになったことでより一層注目を浴びているのではないでしょうか?
「え?AIが音楽を作るの?」
そうなんです。音楽には作り上げるためにたくさんの機材や技術を詰め込む必要があり、作るためには必要最低限の勉強は発生しますし、機材の値段もバカにならないいわば「初めて作る人にとってはかなりハードルの高いエンターテインメント」ではないかと思います。
実際、頭の中で思っている音楽がそのまま具現化できたら…!なんて夢見る方もいるのではないでしょうか!
「音楽を作るっていっても機械が歌うだけでしょ?」
いえいえ、「歌」も「音楽」も「歌詞」も全部できます。
今回はそんなAIと音楽の結びつきをご紹介したいと思います!
まずは「歌」。
電子音声ソフトウェア「ボーカロイド」でおなじみのヤマハから、2019年9月、ディープラーニングを用いた世界初のAI音声【ボーカロイドAI】が発表されました。
同ソフトはNHKの「NHKスペシャル AIでよみがえる美空ひばり」という番組内で使われ、日本の音楽業界のカリスマであり、故人の美空ひばりの新曲を披露するといった取り組みを行いました。
大量の美空ひばりの生前音声データから歌い方のクセや抑揚の付け方、話し声の特徴を忠実に学習し、まるで美空ひばり本人が生きているかのように歌い上げるさまは驚異的で、どんな人の声でも任意のメロディを歌えるということで番組は非常に好評だったとのこと。
これだけではありません!
マイクロソフトの開発した「AIりんな」は第3次AIブームが到来して間もなく登場し、「謎の女子高生」として独自のキャラクター性で高い知名度を得ているキャラクターで、700万人を超えるフォロワーがいるほどです。
そんなAIりんながアップデートし、バーチャルシンガーとして自ら歌を歌えるようになったのです!
ヤマハのボーカロイドAIのように大量の歌声データを学習し、「りんならしい声」に昇華して歌い上げる様はまさに人間そのもの。
こちらも日本テレビの番組で特集が組まれ、りんなの歌い上げる一青窈の「もらい泣き」にスタジオ中が釘付けになる非常に面白いシーンがあるので、気になった方はぜひチェックしてみてください!
「音楽」は作りたい曲があっても、多くの知識や経験がないとゼロから曲を作り上げるのはかなり難しいのではないかな、と思います。しかし世の中の数えきれないほど膨大な音楽から、全て自動で曲を作ってくれるツールが存在します!
例えば、「Amber Music」は作りたいジャンルや曲の雰囲気をポチポチ選択してAIに指示するだけで指示に沿った音楽が自動で作られ、しかもフリー音源として利用することもできるのです!
Amber Musicは無料で利用でき、しかも誰もがなんの知識もなしに曲を作れる恐ろしいサービスなので、ぜひ利用してみてください!
他にも、人間が打ち込んだ一つのメロディを学習して、それをベースにAIがアレンジして丸々一曲作り上げてしまう「AWS Deep Composer」や、スマホアプリなので手のひらで音楽を手軽につくれてしまう「Amadeus Code」など、作曲の進化は計り知れませんね…
最後は「歌詞」のご紹介です。
正直、歌詞をAIが作るなんて!と驚かれる方も多いかもしれません。それもそのはず、歌詞は歌の中でもアーティストが心血注いで作る筆頭格。共感性や人を鼓舞するもの、サイケデリックな言葉遊びなど歌の個性を引き立てる、いわばもっとも人間独自の感情に左右される重要な要素をAIが作れるの?と疑問に思われているでしょう。
実はこれも、出来るんです!
アイドルグループ「仮面女子」と電気通信大学の協力により、AIがアーティストの感情をラーニングし歌詞を生み出すという実験が成功したのはわりと最近の話。
メンバーが「曲をイメージしたイラスト」を書き上げて、その色やイラストの雰囲気から「イメージした言葉」を数値化し、リズム感や連想させる言葉を引き当て歌詞として生成するという何やらとんでもない実験を行い、実際のライブで歌い上げたというものになります。
「音楽」は人類史が始まって以来、本当に数多くのシーンとともにその歴史を歩んできました。今回挙げさせていただいた新技術はこれからのクリエイティブを邪魔するものではなく、AIの新しい可能性が開けたとご認識いただければと思います。
いずれ、伝説のアーティストが没後100年経っても新曲を出し続ける、そんな未来があるかもしれませんね!