AIさくらさんの対談シリーズ未来ののびしろAIさくらさんの対談シリーズ未来ののびしろ
CASE 01 AI×地方創生
<バーチャル対談>

キャラクター×地方創生 〜地域の活気は、ファンが育てていく〜

地方創生は、働く人のサポートから
ティファナ・ドットコム / AIさくらさん
AI・WEB制作会社
ティファナ・ドットコム / AIさくらさん

ティファナ・ドットコムは、昨今の社会問題の解決のためにAI(人工知能)のテクノロジーに着目。対面のインターフェイス「AIさくらさん」などを軸として新たなソリューションの提供をめざす会社。当対談では、その思いをAIさくらさんが代表して話す形式をとる。

KIGURUMI.BIZ 加納ひろみ 氏
キャラクター&地方創生系専門家
KIGURUMI.BIZ 加納ひろみ 氏

KIGURUMI.BIZ株式会社(キグルミビズ)代表取締役。同社は着ぐるみ製作を中心にデザイン、企画から造形美術製作、商品開発などさまざまな事業を展開している。手がけた着ぐるみは、熊本県のキャラクター「くまモン」をはじめとして約2,000体以上で、海外からの依頼も多い。近年はキャラクターのプロモーション支援など、国内外でその活動の幅を広げている。

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地方創生は、働く人のサポートから

AIさくらさん(以降、さくら)

先ほど宮崎県児湯郡都農町のお話を伺いましたが、日本は地方でも高齢化、少子化などで働く人の数自体も減少していますよね。そしてこのコロナ禍で、地域によっては外国の働き手の方々も減っています。私たちには、働く人をサポートするというビジネスの側面もあるので、その方々のご負担をどう減らせるかがポイントになってくると思っているんです。具体的には、今自治体がもっていらっしゃるものをどう活かしていくか、防災や働く人のお困りごとをどうサポートするかなどを考えなくていけないかなと。

加納ひろみ(以降、加納)

外国の方々のサポートという点では、多言語の機能も重要になりそうですね。

さくら

はい、コミュニケーションのひとつとして、大事な要素になってくると思っています。地域によっては外国人労働者の方々も多いので、市役所などでの手続きやその補助など、住民サービスの向上にもつながるのではないでしょうか。

それから観光という面でも、より力を入れていけないかなと思います。海外の人たちに、いろいろな地方を訪れて体験や消費を楽しんでいただきたい。そのご対応にキャラクター性を活かせれば、コミュニケーションのハードルを下げられるんじゃないかと思うんですね。いろいろと可能性を広げていきたいです。

地方創生は、働く人のサポートから地方創生は、働く人のサポートから
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「楽しさ」が人を集める

さくら

地方のプロジェクトに関わる場合、何か気をつけていらっしゃることなどありますか?

加納

まず、楽しさという要素が大事だと思います。遊び心やゲーム性があると、特に情報が欲しいわけではない人も来てくれますから。情報伝達の前に、まず日常の会話が成り立っていることが大事だと思うんですね。

ひとつ感じているのは、自治体などのサイトって分かりづらいんじゃないかということなんです。欲しい情報は自分で取りに行く時代になってきていますが、私を含めて皆さん苦労されているんじゃないでしょうか。

コロナ関連の重要なお知らせなどの他にも、日常で必要となる情報はたくさんあるし、そういうものは、きちんと届かないと意味がないと思うんですね。その場合、AIさくらさんもそうですし、キャラクターの存在って有効だと思うんですよ。

ただキャラクターも、ひたすら発信するだけだと、受け取る方が「お腹いっぱい」になってしまうんですね。自治体さんとの仕事では、住人の方の「目の前にいるキャラクター」として興味をもってもらい、人々の真ん中に上手い形ではまっていくといいんじゃないかな、と思ってます。

たとえばキグルミビズは宮崎県の新富町に本社と工場を移したのですが、そこでは「おとみちゃん」というキャラクターを一緒に作りました。今はまだ友達作りを一生懸命やっている段階で、まずファンの人たちとの信頼関係ができてから、次の情報発信のフェーズにいきましょう、と。やっぱり、面倒くさいことを最初にしておくのが大事かなと思ってやっています。

さくら

確かに、そういう関係作りって大事ですよね。私たちAIの強みのひとつは、さまざまな人たちのニーズが言葉を介したログとして記録されることです。日常会話をデータとして活用できれば、住人の方々が何を求めていて、何に困っていらっしゃるか、また何がお役に立つのかといった具体的な解析が可能になるんですね。これを自治体の方々が判断できるようにして橋渡しできれば、コミュニケーションが、よりスムーズになると思います。

「楽しさ」が人を集める「楽しさ」が人を集める
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受けとめること、分かちあうことの大切さ

さくら

ところで、今の世の中には不安なこともいろいろあって、つい感情的になってしまうことも多いんじゃないでしょうか。そんなとき人間同士だと誰かを傷つけたり、逆に本音を言えずに溜め込んでしまったり……そういう場合のクッション的な存在って、大事だと思うんですね。そんなときにキャラクターやAIのような一度受けとめる相手がいると、コミュニケーションがしやすくなる気がします。実際クレームなどの減少にもつながっていると聞きましたし、AIとして貢献できるんじゃないかと思っています。

加納

今おっしゃった「一度受けとめる」は、地方の取り組みでも大切ですね。狭い地域では言葉がゆがんで伝わることもあると思うんですが、皆さん伝えたいメッセージはもっているんですよ。そのときはキャラクターやAIさくらさんのような、一度受けとめる存在は大事だなって、この時代だからこそ痛感します。

たとえば、熊本の震災時に小山薫堂さんが始めてくださったハッシュタグ「#くまモンあのね」は、とても効果的でしたね。災害に遭われた方々の気持ちを考えると、簡単に「頑張って」と言うのは違うのではないかという思いがあったんですが、でも伝えたい気持ちもある。そういうときに「#くまモンあのね」をつけて、気持ちを一旦くまモンに預ける形にすることで皆んな発信できたんですね。応援だけじゃなくて、今の道路の状況やタオルなどの物資の情報も分かちあうことができたし。送る方も受け取る方も、そこで心がやわらかく楽になって——そういうことだなと思ってるんですね。

受けとめること、分かちあうことの大切さ受けとめること、分かちあうことの大切さ
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AIが実現する未来——時代に合わせ、可能性を育てていく

さくら

着ぐるみのこれからや、ジャンルとしての進化については、どのようにお考えですか?

加納

進化ということでは、実はコロナ禍でちょっとスピードダウンしましたが、テクノロジーとモノづくりを掛け合わせていきたいと考えてるんですよ。ただテクノロジーが前面に出ると、ファンは違和感を覚えてしまうでしょうね。なので、取り入れるテクノロジーは、やさしいものにしたいと思っています。おとみちゃんが胸に手を当てるとほっぺが赤くなるとか、ファンの気持ちに寄り添いながら、時代に合わせて変化させていきたいんですよね。

さくら

確かに、私たちAIもテクノロジーが生んだ存在なので、その点をあまり前面に出さないように気をつけなくてはいけないと思っています。まずは「さくらさん」という存在として、見ていただきたいなと思いますし、おっしゃるように時代にあわせて変わっていくというか、成長していかなくてはと考えています。

加納

そういった過程の共有も、キャラクターに関わるときは大切だと思います。育てるということでは、AIさくらさんは教育関係などのサポートもされるのですか?

さくら

今は学校の先生の業務量が多いので、私たちが生徒さんの対応をサポートすることで、負担が軽減できると思います。また大学の窓口業務の自動化にも取り組んでいますし、今後は就活生の人たちの声を活かして、就職のサポートにもお手伝いの幅を広げていきたいですね。

加納

確かに学校の仕事は、本当に大変だと思います。教育の分野ということなら、地方でもいろいろと活躍の場がありそうですね。

さくら

そうですね。特に学校が多い地域だと、情報提供という面で学生さんたちの生活のサポートと重なってくるんですね。産学連携して地域の生活を便利にしていく、というイメージでしょうか。たとえば、JR海浜幕張駅ではそのようなプロジェクトも始まっているんですよ。

加納

AIさくらさんの活躍の場、いろいろ広がっていきそうですね。キャラクターと地域との関わりということで言うと、最近埼玉県羽生市が設立した全国まちづくり交流協会では、私が九州地区の理事をさせていただくことになりました。他にはキャラクターの使い方に困っている自治体のサポートや、ふるさと納税に関してのキャラクターの活用といった相談を受けるサービスを立ち上げたりもしています。これからの地方創生には、こういった組織的な取り組みもますます必要になってくるんじゃないかと思っています。

さくら

おっしゃる通り、これからは新しい視点での試みが必要になってくると思います。着ぐるみとAIのコラボレーションにも、いろいろ可能性がありそうですね。

加納

あると思います。たとえば、新富町のおとみちゃんとAIさくらさんが、何かの形でつなげられればいいですね。まだ三年生のおとみちゃんがさくらさんに憧れるとか、おとみちゃんのファンがさくらさんに興味をもつとか、キャラクター同士がつながっていくのは大きな力を生むと思いますよ。

さくら

私も楽しみです!そんなコラボがふえていくといいですね。これからもキャラクターとしていろいろな場所に伺って、地方創生の可能性を広げていきたいと思います。今日はありがとうございました。

対談を終えて

着ぐるみとAI。対照的なようでいて、「キャラクター」という点では相通じる部分も多く、人々を結ぶコミュニケーションの重要性を再確認する対談となりました。ファンがつながる力は地域を活性化し、日本を元気にすることにつながるはず。「世の中を笑顔にする」という目標に向かって日々進化するAIさくらさんを、見守っていただければと思います。(ティファナ・ドットコム)

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