保険業界では、国内外を問わずAI(人工知能)の導入が進んでおり、既に様々な場面で積極的な活用が見られます。
こと業務の効率化においてAIは大きく貢献しており、今後はどの保険会社にもAIが導入されていることが「当たり前」となる日も近いかもしれません。

ですが、保険という商品は複雑でデリケートであるからか、まだ顧客とAIが直接コミュニケーションを取れる場は限られているようです。
ここでは、そんなAIの国内における活用事例や、コミュニケーションが可能なAIの導入によってもたらされる効果についてご案内いたします。

保険業界では既に様々な場面でAIが活用されている

国内の保険業界では、大手を中心として既にAIの導入が進んでいます。
たとえばある保険会社では、難度の高い審査の一部をAIが担うといった導入がされており、既に一線で活用されている状況となっています。

このAIによる審査は初期でも80%の精度であり、この時点でも既に有効的であることが伺えます。
また、さらに調整を経て1年半で90%以上にまで精度を高めることにも成功しており、
「学習を重ねることで正答率を上げる」というAIの特性を高い水準で発揮している事がわかります。

このようにAIは複数の判断材料から適切な回答を導き出すことが得意であり、この特性は会社のコールセンターにも活用されています。

これは顧客とオペレーターの会話内容を文章化し、関連度の高いFAQを併せて表示するといったもので、
新人オペレーターでもFAQの検索に躓いたりせず、スムーズで適切な案内を可能にしています。

また、他の保険会社でも同様のAIが活用されており、ここでは新人のサポートのみならず、電話の保留時間を1割削減することにも成功しています。

日本はアメリカなどを始めとする海外と比べてAIの導入が緩やかであると言われる場面が多いものの、
競争の激しい保険業界においては、業務効率化に対して非常に意欲が高いことが伺えます。

利用者が自らサービスを比較できるようにすると、より被保険者の納得を得やすくなる

保険業界に限らず、今後の活躍が期待されているAIの活用方法の一つに、「ノウハウの共有」が挙げられます。
これまではベテランでなければ判断が難しかった場面にAIのサポートを投入することで、
新人でも過去の案件から最適な判断が可能になるというもので、先に述べた審査用のAIもこれに該当します。

これは職人的な判断が求められる工場の見積もり計算などでも使用されており、
将来的には医療分野でも診断が難しい病気について、医師をサポートするAIの実用化が期待されています。

そしてこの「ノウハウの共有」は、専門知識がない人にとっても様々な比較検討を可能にすることができる技術でもあります。
例えば、自社の保険と他社の一般的な料金を比べることができるサービスがあれば、
利用者がしっかりと内容について把握した上で加入の申込みを行いやすくなります。

比較といえば費用の安さが真っ先に浮かびますが、もちろんAIによる比較は単純な数値の差には留まりません。
他社より高い場合は何故高いのか、代わりに得られるサービスの利点をAIが説明することで、利用者に「わかりやすく」伝えることが可能になります。
これらは利用者にとってのメリットですが、もちろん保険会社側にも利点があります。

たとえば、実際の加入には人による審査が不可欠ですが、相談者が自社の商品について事前に知識を得ているかどうかで、
審査結果の説明にかかる時間や難易度も変わってくることが考えられます。

また、AIで臨機応変に比較検討できるシステムでは、「どんな人がどの保険を検討しているか」といった、
新しいサービスの創造には不可欠となるデータも収集することができます。

また、収集したデータは更にAIに分析させることで、素のデータからは読み取ることが難しい傾向などをあぶり出すことにも繋がります。
特定の地域や年代、既往歴などの統計は不可欠ですが、AIは人では気が付かなかった新しい視点をもたらしてくれるというメリットもあります。

インターネット上の「接客」は利用者の敷居を大幅に下げる効果がある

現在はインターネット型の保険も普及してきているものの、本格的に保険の相談をする場合はやはり相談窓口に直接赴く場合が多いのではないでしょうか。
ですが、窓口では人とのコミュニケーションになるため、どうしてもアドバイザーの経験に左右される場面が発生してしまいます。
もちろん相談員はみなプロですが、相談者もまた人である以上、どうしてもそこには「人的な相性」が発生してしまいます。

経験豊富で評判の良いベテランであっても、相談者との相性次第では、せっかくの機会を損失してしまうことにもなります。
また、窓口では相談にどのくらい時間がかかるかわからない場合もあり、窓口自体に敷居の高さを感じる人もいます。
ですが、AIに気軽に相談できる環境を導入すると、こういった障害は取り払うことが可能になります。

例えば、「AI接客システム『AIさくらさん』」に代表される「コミュニケーションが得意なAI」を導入すれば、
常に安定した品質で接客ができるだけでなく、いつでも好きなときに自由な相談をすることができます。

チャット形式で気楽にコミュニケーションが取れるというのは非常に大きな利点であり、
定期的に行いたい保険の見直しなどもインターネット上でAIが担えるようにすれば、空いた時間に気楽に相談を持ちかけてもらうといったことも可能になります。

事前に入念な検討が必要な「保険」という商品においては、
隙間時間にこまめに調べられ、いつでも相談を中断できるチャット形式は、多忙な会社員のニーズも獲得することが予想されます。

また、さくらさんは接客そのものも重視しているため、AIキャラクターなどのより親しみやすいサービスの提供が得意となっています。
このように、「敷居を下げる・便利にする」というメリットは想像よりも遥かに効果的であり、他業種では明確に高い評価を得ているAIも存在しています。

例えばある運送会社では、LINEを通じたAIとのチャットで再配達の依頼を出せるようにしたことで、利用者の通知に対する反応率を6割向上することに成功しています。

利用者の反応が高まればあらたなデータの獲得にも繋がりますが、これが今後の企業間競争にも大きな切り札となることは言うまでもありません。
AIはただ業務を便利にするだけでなく、時代に応じたニーズをいち早く察知するための情報収集にも貢献するのです。

まとめ

このように、AI導入には非常に意欲的であり競争も激しい保険業界ですが、これからAI活用を検討する場合、日本ではまだ導入の余地は大きいようです。
上記で述べたとおり、現在は直接AIが利用者と関わる場面は少ないほか、アメリカでは保険金の不正請求検知といった業務にも積極的にAIが導入されています。

AIは早期に導入するほどより高い利益を生み出すとされる技術。
今後の競争において、AIの活用度合いが大きく響いてくることは間違いないといえます。