だれでも美味しい料理を食べたいと思うのは、万国共通の願いです。

ただ、料理の世界は「むずかしく」(作るのが難しいだけでなく、
食べる人が気難しい場合もあり、はたまたアレルギーや好き嫌い、
宗教上の理由などで食材選定が難しいなど、要素が多すぎます)
これをAIに学習させるのは途方もなく大変なような気がします。

AIを搭載した料理ロボットも登場してきました。
ちょっと不恰好で高級ワインの雰囲気を壊しそうな気もしますが、すごい進歩です。

AIの料理の世界への活用がどのようにできるか事例研究を中心にお届けします。

AIによる料理レシピ

AIは万能ではないので、導入や活用には「分別」が必要です。
人間ならば簡単に出来てしまうことが、とてつもなく大変であったり、
逆に人間が行うには途方もない時間がかかったり・・・。

料理のレシピの世界は後者の方でしょう。人間がまとめあげるのには余りにも膨大なものです。
特に日本は和洋折衷、中華ありフレンチあり、はたまた発祥の地の国には存在しない
「カレーライス」や「ラーメン」、「ナポリタン」(関西ではイタリアン)などお馴染みのものでも、
インド人も中国人もイタリア人も「日本料理」だと思っています。

1万種類もアップしている「AJINOMOTO PARK」(https://park.ajinomoto.co.jp/top/)の
「レシピ大百科」は、凄いと思います。
1日3食、食べるとしても全部のレシピを制覇するのに10年はかかる計算です。

この中から好みや季節に合わせた料理を作ろうと考えると、逆に困ってしまうでしょう。
現代社会にありがちな「情報の海に溺れる」現象が起きてしまいます。

そんな時にAIが羅針盤の役割を果たしてくれます。

また、IBMも「シェフ・ワトソン」を開発しています。「シェフ・ワトソン」は、
完成した料理をイメージさせる3つのキーワードを与えると、
美味しいだろうと思われるレシピをアレンジするものです。

「シェフ・ワトソン」には9,000以上もの料理人が作ったレシピ、
評価データ、成分データを格納しています。
このレシピを単純に検索するのではなく、素材と調理の方法について整理して、
イメージにマッチするような味の材料と、調理方法の組み合わせが何になるのかを教えてくれます。

AIなので、食材についての先入観がなく、
人では思いつかないような組み合わせを考えてくれるところがスゴイですね。

また、情緒的な問いかけでもメニューを考えてくれるのは、有り難いです。

例えば、食前酒「リラックス」、肉料理「贅沢な冬」、デザート「気分は赤と白と緑」などです。

AIによる調理

料理は作る同じ素材でも調味料や作り方によって全く変わってしまいます。
タマネギ、ニンジン、肉が「肉じゃが」になったり「カレー」になったり、変幻自在です。

中でも難しいのは火加減ですね。
日本人はお米の食べ方については結構こだわっている民族だと思います。
お米の種類も沢山あります。そして同じお米でも、
お水が違ったり水温が違ったりすると炊き上がりも変わってきます。
最新の炊飯器はAIを搭載して、お米の品種ごとに炊き上がり設定を判別するものまで出現しました。

統計データがないので信憑性は別として、炊飯器がAI搭載の最も普及している機器だそうです。

この他にもAIを調理に活用したものには、画像認識AIを備えたオーブンがあります。
米June社のインテリジェント・オーブンはなんと、あのApple社のもとエンジニアが作ったそうです。

ディープラーニングベースの画像認識AIが食材の種類や焼き加減を識別し、
プロ並みの調理を実現するというものです。
インターネットに接続して、レシピを増やし自分自身をアップデートすることも可能になっています。

さらに進んだAI搭載の調理ロボットも出現しています。
そのユニークな動作をYoutubeで見た人も多いかもしれませんが、英Moley Robotics社のキッチンロボットです。

動画で醤油のペットボトルの蓋を器用に開けているのを見ると感心してしまいます。
もう少し腕のデザインに親しみが持てると良いのですが・・・と思うのは少数意見でしょうか。

日本人には「料理は目で食べる」と言うくらい美しさにこだわる国民性があります。
AIやロボットが発達すればするほど「ビジュアル」が重視されると思います。
ユーザーインターフェースの分野では日本は世界に一歩進んでいるかもしれません。
チャットボットとのキャラクターやご当地「ゆるキャラ」などが、
料理解説や案内をしてくれとさらに美味しさも増すことでしょう。
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まとめ~AIを料理の「隠し味」にする

料理を作る側の人(お母さんやレストランのシェフなど)は、
おもてなしする相手に喜んでもらうために、腕を振るうと思います。
料理は言わば、コミュニケーションツールだとも言えます。

けれども、全ての人が料理の鉄人のわけではないので、上手く行くとは限りません。

そんな時にAIがヘルプしてくれれば、とても助かります。

日本料理の極意に「隠し味」がありますが、AIが現代はその「隠し味」になってくれるでしょう。