2018年のサッカーのワールドカップロシア大会でVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入が話題になっています。

?今の段階ではビデオ映像から専門のビデオ審判員がジャッジメントを下すと言う内容です。ただここまでくればこのジャッジメントをAIが行う日はそう遠くない日に来るでしょう。

AIの従来のスポーツへの応用は、主に選手の関節にセンサーをつけて可動領域分析や、そこから計測するデータを用いながらトレーニング分析、ヘルスケアに役立てると言うものが主流でした。

今まで伝統的にあったスポーツ科学の中にコンピューターが取り入れられ、ICTが役立てられてきた延長にAIがありました。

逆にAI側からスポーツに対するアプローチを考えてみたとき、AIがカギとなってどのような役割を果たせるでしょうか。

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AIのスポーツへの応用

まず冒頭のVARについてAIの活用がどのように可能性があるか考えてみます。

VARとは、試合の重要な判定に対し別室でビデオによる監視を行っている副審が判定を「補助」するというシステムです。基本は誤審を防ぐためにテクノロジーを活用しようというシステムです。

具体的な方法は、微妙な判定があった場合レフェリーが両手で四角いモニターを表すジェスチャーをして試合を一旦中断します。

主審と副審が無線を通して連絡を取り必要があれば主審もビデオを確かめて誤審がなかったか、判定が妥当だったかという判断をします。この一連の流れは「レビュー」と呼ばれています。

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(出典:オランダカップのアヤックス対ヴィレム?戦で、審判が試合の映像を確認する様子(2016年9月21日撮影、資料写真)。)
(c)AFP/ANP/Jerry Lampen

AIを活用すると、画像処理AIによるビデオ判定精度の向上とサッカーボールに埋め込まれたICタグによるライン越えの判定、選手のシューズのICチップによるオフサイドの判定など試合の流れを妨げないスピーディーな運用に寄与できます。IoTとAIをフル活用します。

VARに限らず、AIのスポーツへの応用には、3つの領域が考えられます。

1.スポーツ科学の観点

2.スポーツ運営の観点

3.スポーツ観戦(スポーツを楽しむ側)の観点

つぎの項で、私たちの生活に身近でいろいろなメリットもある、3番目の応用領域に焦点を当ててAIの活用を考えてみます。

2019年に日本でワールドカップの行われるラグビーの観戦を例に考えてみましょう。

スポーツをAIによって私たちの身近なものにする

ゲームの全体スケジュールの中から試合を選んで、スタジアムでプレーを見る一連の流れを考えてみます。

【いままでは・・・】

ゲームの全日程の中で、観戦希望者がメンバー(家族や友人など)と観戦者のスケジュール(仕事の都合や学校のスケジュールなど)を考えてチケット手配をします。

スタジアムに出向くための交通手段を考えます。家族が多ければ、車で移動するのでしょうか?駐車場は、走行ルートは?

電車移動するなら、時刻表を調べ新幹線なら予約も必要でしょう。宿泊が伴うのであればホテルの手配もいりますね。

さあ、試合がもうすぐ始まります。子どもをトイレに連れて行ったり、飲み物を買ったり、はじめてのスタジアムでは迷子になってしまいます。

いよいよ試合が始まりました。審判がホイッスルを吹いています。何かルール違反があったのでしょうか。ラグビーのルールは頻繁に改定されます。ルールブックで調べている内に次のプレーが始まってしまいました。

ゲームも、もうすぐ終盤です。帰り仕度を考え始めます。帰りの天気やルートが心配ですね。

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AIを活用したスポーツ観戦

【AIが活用されると・・・】

まず観戦メンバーのスケジュールと行動予定や希望をクラウド上でシェアします。AIコンシェルジュが対話形式で各自の希望を聞いてくれます。

ゲームスケジュールや予算、いろいろな希望に合わせたチケットの候補を提案してくれます。

気に入ったものがあれば、予約から支払いまでAIコンシェルジュにおまかせです。

移動に最適な方法も全てシミュレーションして案内してくれます。

さて、スタジアムに到着しました。AIコンシェルジュが優しい声でシートまでの案内をしてくれます。途中で小雨が降るので雨具を忘れないようにアドバイスをしてくれました。

ゲームも始まり、TV中継の画像分析からルールについても解説してくれます。動画コンテンツと連動してプレイバック付きで丁寧に説明してくれました。

充分ゲームを楽しんだ後、退出最適化AIによって帰路に一番適した出口と帰宅ルートの案内もしてくれます。もし帰りに食事がしたければAIコンシェルジュにお店の予約をお願いするのを忘れずに。

まとめ

VARについてAIの活用がすすめば、市民サッカーや高校サッカーなどのアマチュア・サッカーにも大きな変化があるでしょう。少子高齢化がすすむ日本社会の中で子どもがサッカーをしたいと思っても、その指導者の数が足りません。審判のように体力だけではなく高度な判断力やルールに精通したエキスパートは全く不足している状況です。

その中でAIが活用されれば素早く正確な判断と履歴をログとして保存、分析できるようになります。AIは単に心地良く観戦に私たちを導いてくれるだけでなく、スポーツそのものを発展させてくれるお手伝いをしてくれます。

私たちが末長くスポーツを楽しめ、サッカー観戦に興じられるためには次の世代が健全に育つ必要があります。AIの活用はスポーツの楽しさを広げ未来を明るくしてくれるでしょう。