AI(人工知能)は、結局人間をこえることができるのか?
日本では、2016年はAI元年と言われ、この年に人工知能を搭載した様々な製品やサービスが世の中に登場しました。

そして、AI(人工知能)という言葉が世の中にできてからフィクションを含めて言われてきた、
「人工知能は人間を超える事ができるのか」という問題も現実味を増してきました。
人工知能に仕事を取られてて働き口がなくなってしまうのではという話も耳にしますが、
本当にそのようなことが起こるのでしょうか?

その問題を解析するためには、まず今ある人工知能の技術を使っているものにどのようなものがあるか、
そして、「人を超える」とはどういうことなのか定義して
今の技術の延長線上に「超える」ものがあるのかを考えていきたいと思います。

「人を超える」とはどういうことなのか

人を「超える」の定義について決めていきたいと思います。
今回は、仕事という面において考えるため、以下の3つを軸に考えたいと思います。

・人より効率的に素早く作業を処理することができるか?
・人と同じように物事を考えて判断して処理することができるか?
・人と同じように創造して新しいものを生み出すことができるか?

では、現在、世の中にあるAI(人工知能)を使っている物を見て、
上記の3項目をクリアできているか考えたいと思います。

世の中にあるAI(人工知能)

まず、日常的に人工知能搭載という言葉で目にするもので有名なところだと
生活家電に搭載されているAI(人工知能)ではないでしょうか?
エアコンであれば、AI(人工知能)が気象情報などの情報を収集して室温を快適に調整したり、
人がいる場所を判断して、そこに狙ってもしくは避けて送風するなどの機能を持ったもの。
また、掃除機であれば、部屋の家具配置などを把握して、
障害物をさけながら掃除することができるロボット掃除機なるものが登場しました。
中には、髭の濃さを認識してパワーを調整してくれるAI搭載型のシェーバーなんてものも発売されました。

また、家電以外にもAI(人工知能)の技術は様々なところに使われるようになってきました。
そして、年々技術が進化していくことで、映画のようなフィクションの世界だけのことだったり、
人にしかできないといわれていた複雑なことが、人工知能だけで実現するようになってきました。

自動車であれば、前方との車間距離を保ったり、車線を外れないように自動で運転してくれたり、
オートで駐車してくれるようなものも登場しました。

カメラを使って、利用者の年齢や感情を読み取ることができるようになっています。
空港の出国手続きの際にパスポートと本人の顔を照合して本人確認の手続きを行ったり、
センサーで体温や、脈拍を計測して体調を診断して適切な案内をしたり、
表情を読み取って迷子探しなど、様々なことができる人工知能がすでに実装されて世の中で活躍しています。

商業施設の店舗の案内や電車の乗換案内、自販機などで年齢や気温、販売実績のデータと紐づけて商品をお勧めしたり、
クレジットカードの利用パターンを把握して不正利用の検知にも人工知能が使われていたりします。
人工知能がカードの会員が普段と異なったパターンでの使い方や不正利用の際のパターンと照らし合わせて、
怪しい利用が確認された場合に不正な利用を検知し、カード会社に報告がいくようになっています。

2020年2月には、「TEZUKA2020」といった手塚治虫氏のマンガに迫る作品を、
AI(人工知能)を使って作りだそうというプロジェクトも発足されました。
パッと見では、手塚治虫氏の画風が踏襲されており、
AI(人工知能)が書いたとはわからない出来栄えでした。
今回のプロジェクトでは、プロットを選ぶ段階など一部は人間との協業しての作品でしたが、
将来的にはAIだけで作品が作れるようになるのでは、という試金石となったのではないでしょうか?

AI(人工知能)は「人を超える」ことができていたか?

ここまで、実際にAI(人工知能)が色々なところに使われていることを紹介しましたが、
「人を超える」の定義3項目はクリアできたのか、1項目ずつ見ていきましょう。

まず一つ目、「人より効率的に素早く作業を処理することができるか?」
これは、今の時点で「超えている」といって差し支えないと思います。

クレジットカード、自販機の例で紹介したように、
膨大なデータを処理するのは、人よりも機械の方が向いています。
よってビックデータの処理についてはAI(人工知能)の方が向いています。

二つ目、「人と同じように物事を考えて判断して処理することができるか?」
これは、将来的に「超える」と思われます。
現時点では、物によって難しいものはありますが、膨大な教師データを元に、
正しい基準を学習していけば、より複雑なことも判断することができるようになると思います。

最後に、「人と同じように新しい創造してすることができるか?」

これは、現時点である技術の延長線上では「超えられない」と考えます。
「TEZUKA2020」は、新しいマンガを人との協業とはいえ作り出しています。
その延長線上には、新しい創造があるように思えますが、
なぜ、「超えられない」になるのでしょうか?
それには、「TEZUKA2020」に使われた技術を説明させてもらう必要があります。

「TEZUKA2020」に使われた技術は、あくまで二つの物事を考えて判断する処理が使われています。
「TEZUKA2020」はその中で特徴量を判断するという技術が使われています。
キャラクターの作成を例にしますが、AI(人工知能)が新しい手塚治虫タッチのキャラを想像したのではなく、
手塚治虫の絵を教師データとして取り込んで、そのデータを元に「人間らしいか」「手塚治虫の絵の特長があるか」
この2点を条件の特長を持ったパターンの絵を判断して抽出したため、新しいものを創造したとはいえず「超えた」とは言えないのです。

以上のことをまとめ、「人工知能は人間を超えることができるのか?」ですが、
作業など同じことを繰り返し行う処理に関しては、人を上回ることができるが、
新しいものを生み出す創造性の部分については、
今の技術の延長線上では人を超えることはないと考えます。