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無人コンビニとAI|省人化をAIは進めることができるのか?

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人材不足解消

2019年05月01日

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無人コンビニや無人販売所には二つの種類があります。
一つは人工知能(AI)を中心にテクノロジーを駆使して「無人化」を実現するもの。もう一つは、畑の脇にあるような無人販売所です。

前者は性悪説に、後者は性善説に・・・と言いたいところですが、経営学的にはビジネスモデルの大きな違いと捉えて考える必要があります。
本コラムでは、最新のビジネスモデルと人工知能(AI)の関連を含めて、話題になってきた「無人コンビニ」をテーマに考えていきます。

人件費vs開発費

事業構造の中で収支に大きな比重を占めるのは人件費です。20世紀までは、いかに低賃金長時間労働で人件費の時間単価を下げるか、のような研究も多くされてきましが、昨今は大きな変化が起きています。
それは先進国、とりわけ日本では少子高齢化が進み労働人口そのものが減り「人手不足」と言う、新しい労働問題が発生していることです。
最も顕著なのがタイム・コンビニエンスをコンセプトにしているコンビニや24時間の外食産業です。
需要があって、お店もあり、材料や商品手配も万全に出来ていても閉店に追い込まれると言う奇妙な現実に対峙していることです。

そこで注目を集めているのが「無人コンビニ」です。人手を最小限にして物品販売を成立させようとする試みです。
JRの赤羽駅では「無人コンビニ」の実証実験も2018年秋に実施されました。しかしながら、このようなシステムを実現するためには、人工知能(AI)をはじめとする様々なテクノロジーへの莫大な開発投資が必要です。

技術的に出来ることと経営的に出来ることとは次元が違います。ビジネスとして成り立たなければ事業継続性が担保できませんので長続きしません。
アメリカのアポロ計画と同じで、月面着陸が成功してもビジネスメリットが見出せなければ二度目が無いわけです。無人販売の場合も同様で、無人化のための行き過ぎたコスト増は一般的なビジネスでは成立しません。
公共事業でも費用対効果を厳しく追求される時代になっています。人件費と開発費のバランスがとれなければ、次に続く人は現れません。従来型の労働生産性の向上や経営効率化ではない、パラダイムチェンジの時代に突入していると言えます。

なぜ「無人販売所」は成り立つか

ここでは比較的以前からある、欧米では中々お目にかからない野菜や農作物の「無人販売所」に注目してみましょう。
どこか一箇所の特別な風習ではなく、日本では畑のある地域のいたる所で見かけます。特に過疎地などでお店の非常に少ない農村では、高齢者の買物難民救済の助けにもなっています。
無人販売所は田舎だけの現象でもなく、都会でも見ることができます。野菜ではありませんが「古本」での事例があります。

【都会の無人古本屋さん】
東京の三鷹の商店街の一角に無人の古本屋さんがあります。オモチャやグッズを購入する時に利用されるガチャガチャを使って、300円と500円の本を入れる袋を販売し、本棚から2種類の値段に設定した古本を自分で入れて持ち帰るというものです。農作物の「無人販売所」を少し進歩させたような感じです。
誰でも「本が盗られないのかな?」と思いますが、そのようなことはほとんどないそうです。しかも、読まなくなった古本をダンボール箱で置いていってくれる人もおり、古本の仕入れもしないそうです。
本という商品特性は知的刺激や学習意欲に支えられたものである関係で、顧客層の社会的なモラルが高く、自尊心を傷つけてまで本を読もうとはしない顧客層なのでしょう。
また近くに大学もあり、学期の替わり目や引っ越しシーズンに後輩に本を譲る感覚で提供してくれる人もいるのでしょう。
このお店は本屋と言う販売機能を提供しているのではなく、「読書の場」と地域コミュティの提供しているのです。

4-2.jpg
(出典:「店員いない、鍵もない「無人の古本屋」 泥棒に盗まれないのはなぜなのか?」朝日新聞社DANROより一部抜粋)

このような無人販売所が成り立つのは、単なる善意の集合体ではなく、商品特性と顧客心理、集金(課金)システムの最適値によって導き出された結果です。
システム開発費用とそのシステムの維持費、アップデート費用、リプレイス時の再開発費用等のTCO(Total Cost of Ownership)と簡易な棚に農作物を並べ集金箱を置くシステム(?)の費用対効果を考えた時、どちらが採算性があるかを検討する必要があります。
初期投資やシステムのスタートアップの期間も検討しなければなりません。リスクヘッジの観点からもビジネスモデルを考察する必要があります。
農作物の無人販売所の場合、畑に入られて農作物を盗られるリスクや畑を荒らさせるリスクもあります。市場に出荷できない不揃いのキュウリや熟したトマトを無人販売所で、タダで持って行かれても大した損失にならないでしょう。

無人販売はまだまだあります。少し実例をみてみましょう。

【コインランドリー】
コインランドリーは始めから無人を前提に「コイン」洗濯場としてスタートしています。商品が一般のコンビニのように有形なものではなく、サービスの提供を無人化しているのでコンビニと単純には同一視は出来ませんが大きなヒントを内包しています。
比較的小資本で開業ができ、オーナーのみで人を雇い入れなくても運営できるメリットがあります。地域によっては社会的なニーズ(学生街など)も高く、近隣住民に喜ばれる存在です。また、無人だからこそ女性のインナーウェアの洗濯なども気軽にできる点もあります。
人工知能(AI)を活用したビジネス特許を取っている例さえ出始めました。

【自動販売機】
有形商品の販売で無人化されているものは自動販売機でしょう。飲料の自動販売機がパッと頭には浮かびますが、生花やパン、カップラーメンやカレー、焼きたてピザの自動販売機も登場しています。
この自動販売機にも人工知能(AI)の活用が進んでいます。飲料の自動販売機の前に立つと飲み物のレコメンドをしてくる、ちょっとお節介なものや、スマホで予約も出来るものまであります。極め付けは中国の大型自動販売機に多種多様の商品を入れたAI「無人コンビニ」の実現です。

最小限の投資で「省人力販売所」を実現するAI

無人コンビニや無人販売所の難しいところは金銭授受と管理です。
最近は電子マネーの発達やPayPayのようなバーコード決済の仕組みも出来てきたので、支払い管理のハードルは低くなってきました。神社やお寺のお賽銭もバーコードを読み取って投げ銭が出来るようになりました。
中国の物乞いは銭箱の代わりにQRコードのプリントされた札を首に掛けて、道端の敷物の前に掲示してお慈悲を請うそうです。

この仕組みは無人販売所でも活用できます。自動販売機が町中のいたる所にあるのは日本くらいで、諸外国では「貯金箱」を路上に放置しているのと同等だと認識されているようです。
現金が販売所やお店になければ盗難リスクは大幅に減らせます。商品にQRコードを添付しスマホのスキャンで購入できレジも不要になります。
商品をICタグで管理できれば出口ゲートで自動課金ができますのでキャッシュレスになります。
このような管理も人工知能(AI)を活用すれば容易に実現できます。センサー技術と人工知能(AI)はとても親和性があるからです。

【顧客サービスをAIで向上】
無人店舗での、もう一つの課題はサービスの向上です。商品についての質問や不具合に対しての対応が不充分にならないように如何にするかです。
この切り札がAIコンシェルジュです。

4-1.jpg
多言語で接客ができるのでインバウンド対応も万全です。
顔認識技術でお客様の心理状態の分析や困った表情の感知で、AIコンシェルジュによりフォローアップも可能です。
また、AIコンシェルジュに「ゆるキャラ」や企業のマスコットなど可愛いキャラクターを活用することでや万引き防止にも繋がります。

「花は心のセキュリティ」と言うキャッチフレーズがあります。
綺麗なものや可愛いものを目前にすると「鬼の目にも涙」の諺のように、一見無慈悲に見える人でも良心の呵責に罪悪感を持つものです。
イヌ型ロボットやネコ型ロボットが店番をしているだけで、大きな抑止力になるのではないでしょうか。

まとめ

性善説にもとづく「無人コンビニ」が出現しても良い時代になるかもしれません。
それは買物難民の救済と地域コミュニティの進展、そして人工知能(AI)の活用です。

日本は世界的にみても、治安も良く「おもてなし」の文化と精神の育成された国です。識字率も教育水準も高くモラルや高齢者を敬う習慣も残っています。
特に最近の若者は、災害救助や困った人を助けてあげたいというボランティア精神が旺盛です。
社会や人のために何か役立ちことをしたいという気持ちを後押ししてあげられるテクノロジーが求められているかもしれません。

人工知能(AI)を活用すれば最小限の人的投資でさまざまな商品販売の「しくみ」を構築することができます。
人の善意を支える人工知能(AI)の研究がもっともっと進むことに期待は高まりますね。

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