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日本の漁業を活性化するAI

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業務効率化

2018年07月30日

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日本は海に囲まれ、水産資源が豊かで和食の中でも寿司に代表される
「さかな」(魚と魚貝類、海産物の総称としてここではこう表現します)好きであることは
日本のみならず世界も認めるところです。
世界的には水産資源の需要が伸びる一方、クロマグロやニホンウナギなどの
日本人の好物が絶滅危惧種に指定されたり、海洋保護団体の活動など、
漁業をめぐる環境は流動的であり厳しい状況に直面しています。

一方で国内の魚介類の消費量は一時期より落ち込んでおり「さかな」離れもおこっています。

厚生労働省の資料によると、食品群別摂取量の魚介類(肉類)は
1950年61(8)g→1970年87(43)g→1990年95(71)g→2010年73(83)gと言う状況で肉食と逆転するに至っています。

このような国際環境や食をめぐるさまざまな状況の中で、水産業、漁業の直面する課題に
AIをはじめとしたICTを活用する「スマート漁業」が注目されています。

世界で長寿の国民は何を食べているか?|一番「さかな」を食べる国民は

さて、最近の一番「さかな」を食べる国民はどの国でしょうか?

2007年には、人口100万人以上の国の一人当たりの「さかな」を食べる量の比較では
日本が一番でしたが、2013年には3位に落ちています。

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ここで興味深いのは、この魚介類の消費量と平均寿命に相関関係が読み取れると言うことです。

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長期的な健康効果が科学的に確認された10の食品に、魚に含まれる
長鎖オメガ3脂肪酸(EPAとDHA)が作用していることが証明されました。

日本の漁業・養殖業や水産(加工)業を守り発展させることは、
単に産業レベルの話ではなく日本人の長く健康に生きると言う
誰しもが求めることに深く密接に関係していることがわかります。

日本の漁業を救うAI〜海は漁師の「銀行」

それでは、この漁業の未来を開く「スマート漁業」に焦点を当ててみましょう。

「スマート漁業」とは、ICTを利用して水産業操業の効率化を図り、
文字通りスマートに漁業を展開して、漁業の若者離れもなくそうと言うものです。
ビッグデータやIoTの活用をクラウドやGPS、モバイル端末や
ウェアラブルコンピュータ(wearable computer)なども活用して効率的漁法を構築する試みを目指しています。

特徴は、生産(漁獲モデル)と消費(小売モデル)の二側面に着目してAIの活用を試みようとしていることです。

具体的には、宮城県東松島市のスマート漁業モデル事業が典型的です。

(1)漁獲モデル:データに裏付けされた効率的な漁業と、獲りたい魚を獲る漁業を実現する。

(2)小売モデル:首都圏の個人飲食店を含む小規模飲食店が漁業者に直接、先行予約する新しい海産物産地直送モデルを構築する。

(総務省「海洋ビッグデータを活用したスマート漁業モデル事業」)

このような事業モデルを支援するために、JAXAの水循環変動観測衛星「しずく」などの活躍が期待できます。
地上700kmの宇宙から、海面水温の解析や降水量、水蒸気量などのデータ観測・監視を続け、
そのデータをもとに水温分布図を作成して洋上の漁船に提供する漁業情報サービスです。

この「しずく」のデータの活用により、日本国内で約15%の漁船燃油を節約できるようになりました。

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(出典:漁業情報サービスセンター「衛星情報を利用している若い船頭(漁船のブリッジにて)」© JAFIC)

このようなビッグデータの解析にAIはなくてはならないものです。
特に海洋データは膨大なデータ量であるだけでなく、流動的で過去のデータの
機械学習にアクティブラーニングなどの実行運用しながら得た最新データを
更にフィードバックして精度をあげることが求められるからです。
また、天候の予測データと漁獲高の予測を組み合わせて悪天候時の操業判断を
船頭に提供することなどのAIの支援が必要です。

海は漁師の「銀行」

海にはさまざまな情報が眠っています。銀行のように蓄え、利子(水産資源)を生み出してくれます。

一昔前、アワビ採りの海女さんは海に漁に潜る時に
「チョット銀行に行って来ます♪」と言って、海女小屋から海に行ったそうです。

海はそれほど豊かで守るべき居処として親しまれていたのです。
漁業にとって最も重要な情報は海水温です。水温によって獲れる魚が異なるからです。
魚貝類は変温動物なので、水温によって体温が変化します。
棲息に適した温度帯は生物の種類によって違います。鰹は20℃くらい、秋刀魚なら13℃くらいです。
20℃の水温帯があれば、そこに鰹の群がいる可能性が高いということになります。

以前は、船に装備している水温計で海水温を測りながら漁場を探していました。
衛星データの活用が実現してからは、より広範囲の水温データを監視できるようになり、
水温地図をもとにした最も近い漁場に、短時間で航行し漁に入れるようになりました。

AIによって、「海の銀行」から正確な情報を読み取り「貯金」をおろして生活に役立てる。
そして環境保全をして、海洋資源を守ることによって次世代に「貯金」をすることが、「スマート漁業」の役割です。

まとめ〜食の魅力を広げるAI

一方、私たち市民目線で見たときの「さかな」の食とAIの関連性を考えると、

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スーパーや魚屋さんの店頭での温湿度管理や菌の繁殖を抑える紫外線や
オゾンを利用した抗菌対策などもAIがあればきめ細かく省力化しながら実施できます。
AI搭載のオーブンレンジは魚と別の食材を一緒にオーブンレンジに入れて、
魚だけ焼き目をつけることも可能になりました。

このようにAIの活用で安全・安心な美味しい「さかな」を食べられるようになります。
子どもの魚嫌いの一番の原因は美味しい「さかな」を食べたことがないからです。

家庭でもお店でも、美味しい「さかな」を食べられるようになれば、
消費量も伸び水産業も活性化し、日本人の健康も寿命も更に伸びることでしょう。

食卓にあがるまでの流通過程と料理方法が気になるところです。

消費者鮮度を保ったまま届けるための定温管理にもAIが活躍しています。

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