「天気」(気象情報)がビジネスになるなんて、昔の人は考えもしなかったことでしょう。
情報を提供することで、対価を得る~ギャンブルや相場の予想なら、
何か結びつくところはあるのですが、「天気」でビジネスをする。凡人には、中々思いつかないことです。

大きな変化があったのは、1993年の気象業務法改正で、許可事業者が気象庁の観測データを利用し、
独自の予報を行えるようになったことにあるようです。
気象庁が予報業務を行うことを許可した民間事業者は約60事業者にもなっています。

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気象予報はスーパーコンピュータの世界

現代の気象予報の仕方は「計算」です。あのIBMも気象ビジネスに参入しているのです。

最新の気象予測は、計算科学そのものになってきています。

気象学は、計算科学の中でも最も歴史が古い分野です。
大気中の状態を数値計算で予測しようという、世界最初の試みは1920年代に行われました。
ただ、まだコンピュータもない時代なので実現には至らなかったようです。

現在では気象衛星とスーパーコンピュータとAIによって成り立っている分野です。

天気予報は確率なので、考えてみれば、
下駄を投げて天気を決めるのは理にかなっている?のかもしれません。

2018年に気象庁が、計算能力を約10倍に高めた
新たなスーパーコンピュータを導入したことがニュースになりました。
スーパーコンピュータの更新で3日先までしか予測できなかった台風の風速や中心気圧なども、
5日先まで予測できるようになります。降水の分布が1キロ四方のメッシュでわかる
「降水短時間予報」が6時間先から15時間先まで可能になります。

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(出典:日本経済新聞)

無数の観測地点をAIがまとめる

個人のお天気レポーターのユーザー投稿をまとめることができるのもAIの力です。

スーパーコンピュータの活用が進む一歩、
さらに詳細な情報の取得や人からのアドバイスやレコメンドが欲しい場合もあります。

身近なところでは、「今日は傘を持って出かけた方が良いかな?」とか、
「今日は肌寒むそうだから何を着よう?」
「お洗濯物は干しっぱなしで大丈夫かしら?」などの生活情報はとても気になります。

このような自分の家を中心としたキメ細かい情報は、コンピュータの計算からは出てきません。
AIの予測技術がさらに進めば可能になる分野だと思いますが、
当面のところは、人の「つぶやき」や「お節介」を集めてレコメンドしてくれるのを見た方が確からしそうです。

これら、人々から発信された情報を集めて私たちに提供してくれることを、現在はAIが担ってくれています。

スマートフォンのGPS情報とユーザーの天気情報や体感情報を収集して、
気象庁の情報と関連づければ有益な情報に変化します。

個人のお天気レポーターを登録して気象予測に役立てている民間企業(ウェザーニューズ社)もでてきています。

人の多い地域であればあるほど精度はあがりますが、過疎地や山林などでは、
精度が下がるのは仕方ないですね。この辺はまだ課題の残した分野です。

天気次第のビジネスをAIが確実なものにする

米IBMは2016年1月、気象情報最大手の米ウェザー・カンパニーを2,000億円とも言われる額で買収して、本格的に気象ビジネスに進出しています。
それはIBMのWatoson(拡張知能)を活用して、
6次産業(農林漁業本来の1次産業だけでなく、2次産業(工業・製造業)・3次産業(販売業・サービス業)を取り込むこと)に足掛かりを作るためです。

日本には「風が吹けば桶屋が儲かる」と言う諺があります。
一見、関係無さそうに見えても因果関係があり、周り回ってビジネスにつながることがあるような場合に使われます。

夏の高校野球の舞台、甲子園では炎天下で「かち割り氷」の売り上げは、実に1日120万円も売れるそうです。
これが、曇天だったり小雨にでもなれば、売り上げになりませんね。
正に試合の行方と同じの「天まかせ」です。

これが正確に予想できれば、大きな利益につながります。

同様な事例はコンビニの冷麺やおでんの売り上げも、
気温1℃で大きな売り上げ変動になります。

もっとグローバルなものでは、穀物の収穫予測で、
小麦や大豆の収穫量と気象条件の関係の予測精度が上がれば莫大な利益になります。

まとめ

天気予報や気象情報は、国民を災害から救ってくれたり、さまざまな経済損失を事前に予測してくれる貴重な情報です。

AIを軸に考えてみると、各種気象センサーからの情報を
スーパーコンピュータのビッグデータとして高速処理するのにも既に活躍しています。

気象業務法改正で民間事業者もこの業界に参入でき、
一般企業のノウハウやキメ細かなサービスも期待できるようになりました。

急変する気象情報の提供がAIチャットボットから、プッシュ型で行われれば
国内在住者はもとより海外から旅行者にも安心して日本に滞在してもらうことが出来るようになります。
それもマルチリンガルでサービスが受けられるのがAIの強みです。

「天まかせ」で不安のあった天気に少し明るい兆しが見えてきたのもAIのおかげです。